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ティール組織が生まれるまでの”組織”の歴史

ティール組織を理解する為に抑えたい2つの切り口があります。
1つ目の切り口が、組織の歴史の話です。もう1つの話が、ティール組織の3つの特徴です。

ティール組織を知るにあたって気をつけていただきたいことがあります。ティール組織を理解するということは、自転車に乗れるようになる前の子どもが、自転車に乗れるようになったその感覚に近いものです。自転車の乗り方を口で説明をしても乗り方はわかりません。薄い二輪の自転車がなぜ安定して立っているのかなんて頭では分かりません。このように自転車の乗り方を理解することと、ティール組織を理解することは同じようなものです。
このような感覚でティール組織を理解するという前提がないと「あ、いわゆる経営論のあのとこね」というような感覚で、今知っている知識と吸着させてティール組織を捉えようとしてしまいます。ティール組織を語るときに、存在目的=ビジョン、ミッション、バリューのようなものと言われる時がありますが、全く異なります。無理矢理いまの知識で理解するよりも、何か新しい世界がいまはじまっているのを耳をすませて知ってみようという気持ちでぜひ聞いていただければと思います。

組織の歴史

ティール組織が生まれるまでに、組織の原型が生まれてから7段階の組織のタイプがあります。フレデリックの登壇では、シンプルに5段階で説明していることも増えてきました。

一番古い段階は、REDです。「言うことを聞かなかったら殴るぞ・殺すぞ」の世界です。ヤクザ、盗賊、マフィア、ジャイアンなどです。脅したら人は動くので、そうやって思いを実現し、小集団を動かすことができるようになったのが一番古い組織の形態です。
ただしREDの組織では、例えば、エジプトのピラミッドのような大きなものを脅すだけでは作ることはできません。1万人、2万人、数万人の人を動員する必要があり、その規模の物事を成し遂げていくには脅しただけでは無理です。

次に生まれたパラダイムがAMBERです。大規模な物事を成し遂げるのに一番簡単なのは「お前は身分が低いからやれ」という方法です。要は、上下関係をつくって、上意下達っていう指示命令系統を発明しました。さらに業務プロセスを明確にするということも発明していき、エジプトのピラミッドのような大きなものを作ることができるようなり、ヒエラルキーの誕生しました。

さらに、村と村が出会い、組織と組織が出会い、国と国が出会いはじめると、武器をいち早く発明しないと、軍隊をいち早く増強しないと滅んでしまう時代に入ってきます。どんどんイノベーションが求められる時代になってくるわけですね。
そんなときにORANGEのパラダイムが生まれます。別名、科学的マネジメントの時代というふうに言われていますが、1時間あたりの生産量をはかりはじめたのがこの時代からです。
Aという道具を使ったら10個作るようになり、更に違う道具を使うと12個になりました。そこで「あー、その道具いいじゃないか」とプレッシャーを与えて部下と接してみたら、12個が15個になり、この時「プレッシャーを与えることで生産量が増える」と理解をします。しかし、3年ぐらいプレッシャーを与え続けると、15個を作っていた人がことごとくメンタルがや落ち込み5個になってしまいます。
その時プレッシャーも駄目だと気が付きます。そうやって試行錯誤しながら、さまざまな経営論、組織論、方法論をつくってきたのがこの時代です。そして、ORANGE時代の最大の発明が、実力主義、能力主義と呼ばれるもので、「頑張れば出世できる」というものを発明しました。AMBERのパラダイムでは「ミスをしたら罰を受ける」という恐れで人を拘束してきたのが、「頑張れば報酬をたくさんもらえる」という飴の部分で統率することができるようになりました。身分の低い人たちは「頑張ればこの立場から抜けられる」ということで頑張りはじめ、一気に生産性が高まっていったのがORANGEのパラダイムです。
しかし、ORANGEにもいくつかの弊害がありました。
例えば、上にあがれる人は考え続けるけれども、あがれない人はもうどうでもよくなってしまいます。時代の変化が緩やかな時代だったらそれでも良かったかもしれませんが、いまのように時代が変化していくときには、経営層よりも現場のほうがいろんなお客様と接しているため、変化に気づき、掴むことが多いかもしれません。AMBERやORANGEは承認プロセスがあるので伝言ゲームになり、熱量が伝わりづらく、かつ、ORANGEのあがれてない人は別に言おうとも思わない。そんな中で、変化を掴み損なうORANGE組織も多いかもしれません。
別の弊害では、ORANGE組織では人材を採用する場合、スキルを見て雇います。例えば、会計入力担当では会計入力だけを求めているわけです。その時、その人が絵が好きとか、人と接するのが好きとか、子どもが好きとか関係ないんです。仕事の場は、週に7分の5ほどの時間を費やし人生の大半を過ごす場所ですが、本当に好きな部分や自分を生かせる部分を出せずに、機械の部品のように能力だけで働き、本当に幸せなのかという疑問が生まれてきます。
ティール組織は、自分自身の素晴らしさを全部使えて職場に入ることができ、本当に幸せで、それこそ会社をより良くしていくものになるんじゃないかと考えています。その発想がないのがORANGEです。結果、過剰な利益至上主義に陥って、本当に必要な商品をつくるというよりも過剰な商品も提供してしまっているのがORANGEかもしれません。

そんな中、GREENの組織が現われてきます。ORANGEまでは、社長に対して従業員という呼び方をすることが多いのですが、GREENの組織ではそういう言い方はしません。キャストとか、パートナーとか、メンバーといった名称を使います。つまり、組織にいる人は家族や仲間と捉えていて、アイデアや意見があったら承認プロセスをあげるのではなく、「ざっくばらんに話そうよ」という価値観で動いているのがGREEN組織です。こういう組織は、カルチャーが大事ですし、人間関係を大事にしています。そして、より権限委譲がされていますので、やりがいが高まってきます。組織内では、ワークショップや合宿などが行われ、そういった豊かな文化を生み出しているのがGREENの組織です。
しかし、GREENの組織もデメリットというか問題点があり、2つ矛盾があると言われています。
1つ目は、一人ひとりを大事にする組織に変わっていくと、いろんな意見がでてきて、船頭多くして船山に上る現象になりやすいという点です。合宿でざっくばらんに話して本当に仲がいいんだけども、結局、意見を全部聞いてたら何も決まらなくなり、仲がいいのにイノベーションが起こらないという自己矛盾に悩まされたりもします。
2つ目は、GREEN組織は、RED、AMBER、ORANGEほどではないけれども、やはり緩やかに階層構造を残しています。社長や執行部などです。そうすると、社長は24時間365日経営のことを考え、経営者同士で接点が多く、視野が広くなります。そうすると、メンバーがワークショップなどで切磋琢磨してアイデアを出す一方で、どうしても社長からするとぬるく感じてしまいます。GREEN的な組織のメンバーの口癖には、「うちの社長は、ちゃぶ台返しが多い」というものが多いです。これは社長が悪いのではなく、組織構造上そういうことが生まれやすいということです。結果、上層部と現場で溝が生まれやすいというのがGREEN組織の特徴です。
船頭多くして船山に上るという点と、上層部と現場の溝という点はGREEN組織の難しいポイントなんです。

そんな中、フレデリックが世界中の組織を見てまわったときに、RED、AMBER、ORANGE、GREENに属さない全く新しいやり方をしている組織が生まれていることに気が付きます。会社法では、代表というものは残しているが、上下というものは取り払って、一人ひとりが自由に意思決定しながらも、信頼で結びついたまるで生命体のような組織がポコポコと現れてきていました。これをティールと名づけたのです。

まとめると、力で支配する衝動的なRED。上意下達の指示命令系統を生み出しましたが、変化や競争には強くないAMBER。マネジメントの時代でイノベーションを合言葉に頑張りましたが、機械のように働く仕組みの中で、人は機械じゃないという矛盾を生み出してきているORANGE。そして、働く仲間は家族・仲間という中で、ざっくばらんにワークショップや対話で話したりしながらワークメントしていきつつも、船頭多くして船山に上る上層部との溝という問題点を発生しているGREEN組織。そんな中で、フレデリックは世界中の組織を見ていく中でティール組織を見出しました。

関連イベント

2020年2月12日

Bright at Work 〜自分らしく生きる・働く『ティール組織』〜 https://bright-at.work/eventreport20180220/

※本記事は、上記イベントでの登壇内容を記事化しています。

登壇者プロフィール

嘉村 賢州

  • 場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome’s vi 代表理事
  • 東京工業大学リーダーシップ教育院 特任准教授
  • 「ティール組織(英治出版)」解説者
  • コクリ! プロジェクト ディレクター(研究・実証実験)
  • 京都市未来まちづくり100人委員会 元運営事務局長

集団から大規模組織にいたるまで、人が集うときに生まれる対立・しがらみを化学反応に変えるための知恵を研究・実践。研究領域は紛争解決の技術、心理学、脳科学、先住民の教えなど多岐にわたり、国内外問わず研究を続けている。実践現場は、まちづくりや教育などの非営利分野や、営利組織における組織開発やイノベーション支援など、分野を問わず展開し、ファシリテーターとして年に100回以上のワークショップを行っている。2015年に1年間、仕事を休み世界を旅する。その中で新しい組織論の概念「ティール組織」と出会い、日本で組織や社会の進化をテーマに実践型の学びのコミュニティ「オグラボ(ORG LAB)」を設立、現在に至る。

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