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「テレワーク」は、一般的な働き方とは少し異なる今再注目のワークスタイルですが、聞いたことはあっても、詳しくは知らないという方もいるのではないかと思います。そこで、この記事では、テレワークがどのような働き方なのか解説していきます。また、2020年のコロナ大禍で多くの企業がテレワークを導入しましたが、社内にテレワークを実践した人材の不足や他社での事例不足などで、テレワークの導入に苦戦している企業も少なくありません。勤怠管理からはじまり、オンラインでの顧客との折衝方法や社内でのオンライン会議のファシリテーション等、テレワークを実現するために多くの課題があります。
そこで、この記事では、テレワークの歴史と共に、どのような働き方なのか、また、導入のポイントを解説していきます。

 

【テレワークとは?】

一般社団法人 日本テレワーク協会によると、テレワークとは「tele=離れた所」と「work=働く」をあわせた造語。情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方と定義されています。

テレワークは、パソコンなどの情報通信機器を利用し、好きな場所で、都合の良い時間に仕事をする働き方で、会社へ出社し、定時まで仕事をする働き方とは対照的です。

また、似た言葉に「リモートワーク」という言葉があります。
「リモートワーク」は英語で「remotework」と表記され、「remote=遠隔・遠い」、「work=働く」の二つが合わさってできた造語です。「遠くで働く」となることから、言葉の意味は「テレワーク」とほとんど同じと言えます。ただ、日本では「テレワーク」という言葉の方が普及しています。

 

【テレワークの歴史】

テレワークは近年の新しい働き方のように思われがちですが、元を辿ると1970年代までさかのぼります。

当時アメリカではエネルギー危機やマイカー通勤による交通混雑、大気汚染が深刻な社会問題となり、それを緩和する目的で始められたと言われています。

日本では1990年代後半、ノートパソコンの普及によりモバイルワークが一般化となります。さらに2000年代には、家庭への高速回線の普及や在宅勤務ガイドラインの施行などにより在宅勤務が急速に普及しましたが、個人情報保護法により企業の多くはモバイルワークを中断しました。

しかし、東日本大震災をきっかけに節電啓発の取り組みとしてテレワークによる電力消費量・コスト削減が推進されたことや、政府の「働き方改革」によりテレワークが再注目されています。

 

【数値でみるテレワーク】

では、実際にテレワークを行っている人がどれくらいいるのか。ここでは、テレワーク人口の推移について解説します。

厚生労働省委託事業 テレワーク相談センターによると、雇用型テレワークの人口は1995年に社団法人日本サテライトオフィス協会(現 日本テレワーク協会)が調査・公表した約95万人という数字が最初です。

2002年度に国土交通省が実施した調査結果では、週8時間以上テレワークをしている人(※狭義テレワーカー)のうち雇用型は約311万人、自営型は約97万人の合計約408万人。テレワーカー率でみると、就業者人口全体の6.1%という結果でした。

また、2012年度では、雇用型1160万人、自営型240万人の計1400万人で過去最高を記録し、就業人口全体に占めるテレワーカー率は21.3%という結果でした。その後、減少傾向となり2014年では雇用型900万人、自営型170万人で、計1070万人となり、就業人口全体に占めるテレワーカー率は16.4%という結果でした。

※ 狭義テレワーカー:ふだん収入を伴う仕事を行っている人の中で、仕事でICTを利用している人かつ、自分の所属する部署のある場所以外で、ICTを利用できる環境において仕事を行う時間が1週間あたり8時間以上である人。

 

【3つの切り口で知るテレワーク】

テレワークについて考える切り口はいくつかあります。ここでは、「雇用関係」「実施頻度」「企業の目的」の3つについて解説をします。

1:雇用関係

働く側とは、テレワークを雇用関係で分類したものです。企業に雇用されている「雇用型」と雇用関係を結ばない「自営型」に分類されます。

「雇用型」は、雇用の拡大や仕事の質を高めるために、従来の働き方をベースにテレワークを導入するケースで、主に3つの働き方があります。

・在宅勤務

・施設利用型(サテライトオフィス)勤務

・モバイルワーク

「在宅勤務」は、妊娠・育児・介護・ケガ・ハンディキャップなどの理由によって通勤が困難な人が、パソコン・電話・ファックスなどで会社と連絡を取りながら、自宅で仕事をする働き方です。

この「在宅勤務」と少し異なるのが「施設利用型(サテライトオフィス)勤務」です。

こちらは、勤務先や自宅以外のサテライトオフィス・スポットオフィスを利用して仕事をすることを言います。これにより、自宅が勤務先から離れている場合でも、近隣のサテライトオフィスを利用して仕事ができます。一般社団法人 日本テレワーク協会によると、「施設利用型(サテライトオフィス)勤務」とは、都市企業や団体は郊外に、地方企業は都市部に別のオフィスを設置しており、その施設を利用しながら仕事をする働き方と説明しています。

「モバイルワーク」は、パソコンや携帯電話などを使用して、外出先で仕事をする働き方です。「モバイルワーク」の場合、いつでもどこでも会社と連絡を取りながら仕事ができるため、営業担当や出張が多い方の業務効率をあげる目的で導入されることがあります。

一方で、企業と雇用関係を結ばない「自営型」は、簡単に言えば個人事業者や小規模事業者が行うテレワークのことです。

「自営型」の多くは、企業から委託を受け、パソコンなどの情報通信機器を使用して業務を行っています。委託は、完成品に関する内容だけ取り決めをして、働き方に関して取り決めがないケースも多いです。この場合、「雇用型」で説明した「在宅勤務」「サテライトオフィス」「モバイルワーク」を組み合わせて、自由度の高い働き方ができます。反対に、代役として比較的簡単な仕事を行い、独立自営の度合いが薄い働き方の場合を「内職副業型勤務」と言います。

2:実施する頻度

また、回数や日数でテレワークを分類する「実施頻度」では、就業日のほとんどをテレワークで行う「常時テレワーク」と、週1~2回や月に数回など少ない頻度でテレワークを行う「随時テレワーク」があります。

3:企業側の目的

3つめは、テレワークを導入する「企業側の目的」で分類したケースです。導入目的としては、「BPRモデルのテレワーク導入」と「CSRモデルのテレワーク導入」の2つに分けられます。

「BPRモデルのテレワーク導入」とは、業績アップや生産性向上などを目的としてテレワークの導入を行うことです。BPRとは、「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」の略で、企業の目的を達成するために再構築をするという意味です。経営上の目的を達成するためにテレワークを導入する場合、ワークフローや目標設定の見直しを意識するなど、仕事のやり方から変える必要があり、最終的には会社全体の業務変革につながります。

「CSRモデルのテレワーク導入」とは、地球環境や地域社会への貢献・従業員の労働環境改善や人権保護の取り組みとして、テレワークの導入を行うことです。CSRとは「コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ」の略で、企業の社会的責任を意味します。従業員の仕事と私生活のバランスを考慮し、育児や介護の負担を抱えながら会社復帰ができるようにテレワークを導入する企業は、「CSRモデル」と言えます。

 

【テレワーク導入に立ちはだかる3つの壁】

1:勤怠管理と評価

テレワークでの勤務となると、マネジメント層にとって社員の働いている姿が見えないため、「本当に社員が働いているのか?」という不安に陥りがちです。実際は、テレワークを導入したことによって社員が働きすぎるという真逆の事態が起こったりすることもあります。
また、今まで「働いている時間の長さ=評価が高い」としている社風の会社では、人事考課で昇給昇格を決めるとき、どのように評価をすればいいのかわからないという事態に陥りがちです。

2:オンライン会議と社内コミュニケーションツールの選定

ZOOMやGoogleのMeetなど、様々なオンライン会議システムがあり、サービスによってはアカウント作成が必要だったり、ブラウザーの制限があるなど、ITツールに慣れていない方にとっては、多数あるオンライン会議サービスから自社にあったものを選ぶのは困難です。
また、今までは飲み会などで社員同士の関係性を作っていたり、雑談の中から仕事での新しい発想を生み出したりしていましたが、オンラインになることでそういったコミュニケーションをどのようにとっていくかが課題となります。その目的で、社内コミュニケーション(社内SNS)ツールの導入検討をする企業も少なくありません。

3:通勤手当などの福利厚生

今まで通勤をしていたため、多くの会社が通勤手当を支給していたかと思います。しかし、実際に出社の数が減り、支給の必要性が問われるようになります。
また、反対にかかってくる経費が自宅でのWi-Fi代や冷暖房費です。自宅で作業をすることで、今まで利用していた自宅回線では、業務で使うデータ容量に耐えられず、Wi-Fiの見直しをされた方もいらっしゃいます。

 

【テレワーク導入のための施策事例】

1:社員との信頼関係作りと評価

テレワークの導入と共に、出社勤務以上に求められるようになったのが、上司と部下の信頼関係の構築です。
部下を信頼していないと、「本当に社員が働いているのか?」という不安に陥ってしまいますし、上司が信頼されていないと「本当に自分自身の頑張りを見て評価をしているのか?」と部下が評価に対して懸念を感じてしまいます。

信頼関係作りの一つの方法は、定期的な1on1です。信頼関係のある人間関係の一つが友人関係ではありますが、友人もいきなりできるものではありません。お互いのことを知り、すべてではないにしろ、本音の情報を知っている数が多い関係性です。
上司と部下に置いて、友人関係までの信頼関係でなくても、今まで以上に信頼関係の構築するためには、お互いのことを知るという時間が必要になり、その機会として1on1が活用されています。

しかし、1on1でよく起こる失敗の傾向としては、上司が一方的に説教をし、部下が萎縮してしまい、部下の発言量が少ないケースです。
1on1を始めてばかりのころは、仕事のことはあえて話さず、また、比較的部下の方が話すことを遠慮しがちなので、部下が話しやすい雰囲気作りに注力をすることからスタートしているケースもあります。

2:社内SNSツールで、コミュニケーションの活性化

様々な社内SNSツールがありますが、各サービスには、ルームを作り複数人が入ってコミュニケーションを取るための機能があります。例えば、Slackであれば「channel機能」で、エアリーであれば「コミュニティ機能」です。オンラインでも雑談コミュニケーションを作る方法の一つが、そのルーム機能で雑談のためのルームを作る方法です。

あるスタートアップでは、社員1名ごとにその人のための雑談ルームを作り、その社員が思いついたビジネスアイディアやつぶやきを自分の雑談ルームに自由につぶやいています。他の社員も参加しているので、気になったつぶやきがあったらレスポンスをします。レスポンスはあるときもあれば、ないときもありますが、テレワークで社員が一人で悩んでしまうことを防ぐこともできます。慣れていない社員も多いので、社内浸透をさせていくためには、最初は、発案者が積極的にコメントをしていくことです。

更にチームコミュニケーションの活性化では、雑談だけではなく、自分が所属する部署について、忌憚のない意見交換の場を作ることで、テレワークでも足場の固まったチーム作りをすることができます。

3:最適なオンライン会議ツールの選定

オンライン会議ツールでは、オンラインで動画で相手の様子を見ながら会話ができる以外に、下記のようなことができます。

・画面共有機能
特定の参加者のPC画面を共有することができます。例えば、スライドを見せながら説明したいときに活用ができます。スライド以外にも、ブラウザの画面なども共有ができます。(もちろん、他の参加者が勝手に覗くことはできません。)

・チャット機能
オンライン会議に参加しているメンバーとチャットができます。例えば、とあるサイトのリンクを共有したいとき、口頭で伝えるのは大変なので、チャットにリンクを貼り付けて共有することができます。また、全員向けのメッセージだけではなく、特定の人だけにメッセージを送ることもできます。

・マイク・画像のON/OFF機能
発言者以外のマイクをOFFにすることができるため、外出先で周りがうるさい場合でもマイクOFFの機能を活用して会議に参加をすることができます。また、自宅からの参加でプライベートを見せたくない場合は、画像をOFF機能を利用することができます。

この3つの機能があると、オンラインでも会議がスムーズです。

また、多数あるオンライン会議ツールの中から選定する上で、機能や料金以外に確認しておきたいことをご紹介します。

・セキュリティ面
アプリをダウンロードする必要があるサービスもあるので、自社の情報システム部門に確認をして、自社のセキュリティ基準にあっているのかを確認しておきましょう。

・ブラウザ
ChromeやFirefoxなど様々なブラウザがありますが、サービスによっては、提供していないブラウザもあるので、自社利用しているブラウザが対応しているか確認をしましょう。

・データ処理の重さ
オンライン会議は動画のデータ処理をします。自宅のWi-Fiの回線が弱い場合、動画が重たくてスローモーションのようになるので、無料トライアルで、自社のPCスペックやメンバーのWi-Fi回線に耐えうるかテストをしましょう。

4:福利厚生の見直し

福利厚生の中でも、すぐに課題になるのは、「通勤手当」「Wi-Fi代」「自宅の電気代」です。生活費に関わるので、福利厚生の中でもここから着手している企業も少なくありません。例えば、通勤代を実費に変えた上でWi-Fiを支給したり、Wi-Fi代や電気代をテレワーク補助金として一律支給するなどがあります。但し、通勤代やWi-Fi支給は非課税対象になりますが、テレワーク補助金といった手当は課税対象になります。

その他、人によっては、自宅がテレワークを想定していないため、デスクや椅子を購入する社員もいます。
どこまで会社が補助してあげるのか?を検討の上、社員が体調不良にならず、出社と変わらないパフォーマンスになるような福利厚生にしていくのも一つの観点です。

まとめ

テレワークはパソコンなどの情報通信機器を利用し、好きな場所で、都合のいい時間に仕事をする柔軟な働き方です。働く側は自分のライフバランスに合わせて働き方が選べ、企業側の目的によっては、業務変革や地域社会への貢献、労働環境の改善ができます。
また、自社の業態や働き方によっては、テレワーク導入時の施策が変わってくるので、様々なテレワーク向けサービスや企業事例を検討し自社にあった方法を模索することで、より効果的なテレワークの導入をすることができます。

【引用】

一般社団法人 日本テレワーク協会
http://www.japan-telework.or.jp/intro/tw_about.html

一般社団法人 日本テレワーク協会 世界のテレワーク事情2012年4月
http://www.japan-telework.or.jp/abroad/pdf/telework_world.pdf

厚生労働省委託事業 テレワーク相談センター
http://www.tw-sodan.jp/about/about03.html

国土交通省 テレワーク人口実態調査
http://www.mlit.go.jp/crd/daisei/telework/p2.html

SIBIS調査
http://www.sibis-eu.org/statistics/data/4-34.htm

総務省 平成23年5月テレワーク(在宅勤務)による電力消費・コスト削減効果の試算について
http://www.soumu.go.jp/main_content/000113937.pdf

2020年7月追記
2020年初頭からの新型コロナウィルスが出てきたことに伴い、リモートワーク、テレワークが、急速に普及しました。
オフィスや通勤時に、人と触れ合うことで、感染してしまうリスクがあるため、政府も、感染リスク低減のため、自宅に滞在すること、そして、リモートワーク、テレワークの実施を各企業に努力するように発信しています。

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