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ティール組織の導入企業事例(ヤッホーブルーイング社) 〜V字回復を実現した組織の転換点〜

いつのまにかティール組織と呼ばれ始めたヤッホーブルーイング社

実は、ヤッホーブルーイング自体は「ティール組織になろう」という目標は掲げていません。会社として、皆が働きやすい組織というのは何だろうと考え、フラットな組織を目指したりいろいろな取り組みを進めていくなかで、最近「ティールだよね」だったり「ホラクラシーだね」ということを言われるようになってきました。

なので、私達はティール組織に対してとても詳しいというわけではありません。ですが今回は、ヤッホーブルーイングは今までこんなことをやってきたよという話ができればと思います。
まず始めに自己紹介させていただくと、私はもともとIBMで戦略コンサルをしており、その後ヤッホーに中途入社したという職歴です。ヤッホー入社後は、マーケティングやバックオフィス変革など色々な仕事を経て、社長の井手の業務秘書にも携わっています。ですから、社長の井手(ニックネーム:てんちょ)が普段話していることも含めてお話させていただきます。

では、はじめにヤッホーブルーイングとはどのような会社かという辺りから話をしていきます。

ヤッホーブルーイング社の紹介

ヤッホーブルーイングは、クラフトビールをつくっている会社です。例えば、フラッグシップビールの「よなよなエール」。それから、「水曜日のネコ」や「インドの青鬼」をはじめとした、味わいも違えばターゲットとなる顧客も違う、個性豊かなクラフトビールをつくっています。

そして、これは後で触れますがヤッホーではニックネーム制を導入していまして、私のニックネーム「みーしー」です。また、社長室にあたる部署名にも「よなよな丸 操舵室」といった名前が付いていますが、実はこれ、菅さんではないですが、漫画のONE PIECEを意識して付けています笑

創業からのエピソード

ヤッホーブルーイングの創業は1996年になります。この時代は規制緩和によって「地ビール解禁」が起こり、すぐにブームが起きました。ですので、このブームの波に乗っているときは、売上が右肩上がりで成長をしていき、さらにメディアにも取り上げられて、当初は「すごい魅力的なビジネスだな」と当時営業担当だった井手は感じていたそうです。
ただ、こうしたブームは当然終わってしまいます。ブームが終わってからは売上が下がり続けていくことになります。2003年まで下がり続けました。

そもそも、ビールというのは装置産業ですので、最初に醸造所を建てるときから初期投資がかかり、創業後は基本的に収支的に厳しい時期が続きます。ブームが終わったことで、創業時点から8年連続で赤字が続きました。

低迷期の悩みが組織変化の舵切りに

井手が低迷期に抱えていた悩みが、後にティールと呼ばれる組織文化へ影響をもたらすことになります。
まず、このころのヤッホー社内の雰囲気は非常に悪く、陰口なども横行してしまうような状況でした。そのような環境であれば、当然辞めるスタッフも増えていきます。ですので、社員数が半分になり、新しく入社してもすぐに辞めてしまう、そんな状態が続きました。
また、個々の仕事は自分の担当としてやるけれども、ほかの人と一緒にやるような仕事、皆で一緒にやろうという仕事にはフットワークが重くなったり、他人任せになったりするスタッフもいました。最たる例は、お客さんが会社の玄関でチャイムを鳴らしても誰も行きません。誰も行かないのでてんちょが対応し「○○さんに、お客さん来ていますよ」と言うと「ああ、分かりました」みたいな感じで。「ありがとう」すら出てこないような状況であったと聞いています。

社員の方向性がバラバラだった

そもそも、社員一人ひとりがこの会社で何を目指すかというところがバラバラでした。クラフトビールのメーカーですが、単にビールが好きな人、やりたいことがある人もいれば、手に職ということで働いている人、あとは地元だから……とか。いろいろな人がいて、目指す方向があちこちに行ってしまっていたのです。こういった目指す方向の目線も、社内の雰囲気に関連していくものだと思います。

そのような中で、てんちょの心を強く打つ言葉があった

ヤッホーでは毎朝朝礼を行っているのですが、あるとき中途入社のスタッフが初めての朝礼に参加した際に「てんちょ、この会社の朝礼って、お通夜みたいですね」と言ったのです。もう、この「お通夜みたい」と言われたことは、当時大きな衝撃だったのでしょう。ポジティブに捉えれば「改善に向けての舵切りにつながった」きっかけと言えるのではないでしょうか。

そもそも日本のビール市場というのは、この四半世紀にわたり下降傾向です。若者のビール離れとよく言われていますが、かなり苦境の続いている市場なのです。
お通夜のような会社であったヤッホーが、そもそも下降しているビール市場において、IT企業のような成長曲線を描いています。このような成長を続けるビール会社は国内にはほぼありません。そのため最近、「どういう組織づくりをしているのか」など注目いただく機会が増えてきました。
それも全ては、ここから何とかしないといけないと奮い立ち、あの手この手でチームづくり、組織づくりに力を入れはじめたことに端を発するのかと感じています。

関連イベント

2020年4月28日

Bright at Work 〜先駆者企業が語るティールがおすすめ組織とは?〜

※本記事は、上記イベントでの登壇内容を記事にしています。

登壇者プロフィール

清水 俊介

株式会社ヤッホーブルーイング 社長室 特命ディレクター ニックネームは「みーしー」

横浜市出身。横浜市立大学大学院(理学)を修了後、日本IBM 戦略コンサルティング部門を経て、2014年にヤッホーブルーイング入社。2019年度より現職。 バックオフィス変革・マーケティングリサーチ・営業・採用企画・ブランド戦略・社長秘書・自治体連携など、多岐にわたる重点テーマを担当。 現在は軽井沢へ移住。庭に自作したピザ窯で料理をするのがマイブーム。

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