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※前編はこちら

ホラクラシーの要素を取り入れた日本ユニシス株式会社の広報部は、はじめ戸惑いながらもホラクラシー型の組織を実践し、メンバー間のコミュニケーションがフラットにできているような変化が見えてきました。
後編では、home’s vi、ガイアックス、英治出版の3社で共同開発した「Team Journey Supporter(TJS)」の存在を知り、日本ユニシス株式会社がTJSをツールとして取り入れたことで「周りがどのように変化していったのか?」という深掘りをしていくセッションです。

TJSを利用しようとしてみた背景というのはどういったところにありましたか?

滝澤さん:
ホラクラシー的な組織運営を取り入れる際に、いわゆる課題を見る調査・コンサル会社のようなやり方ではなく、みんなが共通で話せるような場やきっかけが欲しいと思っていました。ホラクラシーを意識したオンライン勉強会や、ガバナンスミーティングなどを行いましたが、あまり馴染まず、その後どうしようかと考えていました。
そんな中、タイミングよくTJSの存在を知り、作られている方がガイアックスさん、下田さんと嘉村さんというティール界隈の方々だったので「きっとこれは良い」と思いました。
そのコンテンツを身近なメンバーと一緒に見て、この手のツールなどでよくある「弱みに着目した課題を提示され、上の人がそれを直させる」のではなく、「TJSは強みを見る」という肯定に重きを置いていることを知ったメンバーの反応がとても良かったです。だから「これはやってみたいね」となり、畠中さんや他のメンバーにも話をしてという背景がありました。

冨士松さん:
まさに私たちがTJSを開発している中で「課題を押し付けられてマネージャーの方たちが疲弊していく」そのようなことをなくしていきたいと思い作っていたところに反応していただけて非常に嬉しいです。

滝澤さん:
いくら私が「進んでいるよ」や、社長などに「よくやっているね」と言われても会社の中の人が言っていることだけだと半信半疑になるところもあったため、それを外部のツールを使って出したレポートなら、素直に受け止めるところがあると思います。
ですので、調査観点で外から見てもらえるのが大きいなと思いました。

実際レポートが出てきた時のメンバーの反応はどんな感じでしたか?

畠中さん:
ずっとテレワークでしたので、レポートを見た瞬間のメンバーの生の反応を聞けているわけではないのですが、私が所属しているブランディングサークルでは、「今いる現在地」を確認できたという印象です。
ブランディングサークルでは、ティールなどの組織論についての話は読み込んでいるので、「自分たちはどこにいるのだろう?」という疑問が見える形になってきたのが良かったです。
私たちは、実感としてわりとグリーンに寄っていたのですが、レポートではレッドの要素も少し出ていて、言われてみれば確かに「あの人のあの勢いのところかな?」など思い当たることがありました。また、調査結果に記載されている説明の文章も全肯定で書かれていたので、レッドの力を健全に捉えることができ、自分たちの個性として実感できたことが良かったと思います。

滝澤さん:
今言われて思い出しました。確かにレッドだから排除したい気持ちにどうしてもなっていたのですが、あの結果を見てレッドの良さを改めて見直したところもありました。

嘉村さん:
確かにティール組織を勉強しているとレッド、アンバーなど前の段階にある部分が悪者にされる場合があり、「その段階の人をどういう風に変えようか?」となりやすいですね。段階ごとに立派な発明があり、それらを活かし合うことが重要ですよね。

滝澤さん:
当社の広報部が特殊で、実業団のバドミントン部の選手などが部の半数を占めています。その中から引退した選手の一人が広報部に残りたいと言ってくれて、今同じブランディングサークルにいます。彼女は小さいころからレッドのような世界にいたこともあり、レッドを嫌な要素としてではなく、レッドやオレンジの良さを十分に体感しているのだと思います。
ただ、彼女がいる中でグリーンの要素も出ていたけど、オレンジの良いところも出ているというのが調査結果でわかり、「なるほど」と見ていました。ほかの広報部のサークルはそういった引退選手がいるわけではないので、どちらかというと健全なオレンジ、管理しているような仕事だとアンバー的な良さが出ていました。ですので、ブランディングサークルが一番グリーンの要素が強かったですね。

サークルごとの結果を見比べて何か感じることなどありました?

滝澤さん:
やっぱり、イベントやウェブサイトなど日々何かを一生懸命作り込んでいる業務だと、管理するからこそ業務が回っているところがありますので、良い意味でのアンバー要素、新しいものを生み出そうとするとグリーンよりもオレンジの要素が強いと思いました。

嘉村さん:
やっている仕事の種類によってさまざま影響がありそうだということですね。

元々このTJSを取り入れるとき何か「チームの対話のきっかけになれば良いな」とおっしゃっていたと思いますが、そのあたりで何か達成したことや話のきっかけなどができましたか?

滝澤さん:
全員ではないのですが、各サークルから「対話をすることの大切さに気が付いた」などの声が聞けて良かったです。
あまり他部門との人事ローテーションが盛んではなく、人によっては15年くらい同じ人と同じ仕事をしている状況です。ですので、業務に関するディスカッションがあるにはあるのですが「これ明後日までに作れる?」「進捗どうなっています?」など、その手の会話しかしてこなかったという人が多かったです。
そこに今回、全体テーマをみんなで設定して『私たちらしく働くには?』という対話をしたところ、「今までそんなこと話そうとも思っていなかったよ」という声がすごく上がりました。そこから「こういう対話をしていいんだ、こうするともっと楽しい、それをやることで知識やノウハウ、仕事で使えることを共有できるようになったよね」という声がたくさん挙がりました。

嘉村さん:
仕事の話はするけど、チームのあり方や人に対して思っていることを率直に話す機会は少なかったりしますね。さらにコロナ禍の今の状況でさらにそれらは加速している気がします。

畠中さん:
そうですね。あえて「することでもない」という関係性だったのだと思います。
広報部では、時間に追われるような仕事をする人が多かったので、人の邪魔になることはしてはいけないという意識が強かったです。その結果、会話が減っていました。それに対して会話の機会を作ることできたのは良かったです。

滝澤さん:
今まではその手の雑談のような会話は、業後の飲み会などでしていたと思います。ちょっとモヤモヤしているから飲みに行こうではなく「仕事の中でそういう時間をみんなで作るんだよ」という風に言ってもらえたのが良かったと言われました。

嘉村さん:
それは良かったですね。それが業務の効率化とかにもつながるとさらに嬉しいですね。

実際にTJSをした後に、対話など増えていきましたか?

滝澤さん:
全部が全部ではないのですが、週1回対話をすることにしているなどの声は聞こえています。
私は基本的に、みんなが楽しく仕事ができるといいなと思っていて、これから先にできるとしたら、社内の他の部署や社外の方とも自然にそういうのがもっと出てくることなどで、みんなもっと楽しくなるのだろうと思っています。

対話会などをするにはある程度一定の時間が必要になると思いますが、「忙しいのになんでやるの?」と思う人もいたかと思います。こういうことに時間をとることについて、みなさんどう感じていましたか?

畠中さん:
そうですね、私たちは2時間×3回という時間を取っていて、そんなに時間を使うのかと思っていましたが、期限を延ばし延ばしにしたことで、そういう抵抗感を相殺できたように思います。
やっぱり期限のある中で、来月末までに2時間×3回と言われると「んー・・・」となっりますからね。でも数か月単位で延ばしていくと「いい加減やらなきゃ」とみんなの意識がひとつの方向に行ったことで、集中することができたと思っています。

滝澤さん:
広報部は女性が多く、日ごろからチャットなどで愚痴も相談もあるという中で業務をやっていますので、「意外と面白かったよ」などと、良い意味での感想が表には出てこないけど裏では回っていました。
あと誰に言われたのか覚えてないのですけど「滝澤さんが言うならしょうがないからやるよ」というのを最初言っていた人がいました。私が同じ仕事をしている中の人間だからこそ「そこまでヒドイことはしないだろう」と思ってくれていたこともあったと思います。やり終わってからは「楽しかった」と言ってくれています。

嘉村さん:
それは嬉しいですね。

冨士松さん:
それでは結構みなさん楽しんでやっていただいたのですね。

どういったところが楽しかったと言っていただけていましたか?

滝澤さん:
雑談でも業務上でも先輩後輩で知識量が違うので、知識を持ち、声が大きい人が主に話すところがありましたが、そのような状況が一切なかったのが心地良かったみたいです。一人ひとりが思っていることを話す場なので、いわゆる知識量とか先輩後輩を抜きにして自然と話さざるを得なく、それが楽しかったと聞きましたね。

畠中さん:
業務以外の話ができたというのが全体的には意味があったと思います。
あとホラクラシー的な組織運営を試している中で実施したというところも、相性が良かったと思います。「今までと違って時間を取ってもいいんだ、今までと違って業務以外のことを話してもいいんだ」など、それとコロナ過で世の中のいろんなスタンダードが崩れて変わっていったという波の中にいたのもプラスに効いていたと思います。逆にそういう状況ではなく「ガチガチのヒエラルキー型組織でこれやってもどうだったのか?」ここまでの好感触にはならなかったと思います。

ちなみに、チームの良さについてもお話をされていたと思いますが、その対話の中でどのようなチームの良さが出てきましたか?

畠中さん:
気づきを含めた良さということで、やりきる力、リスクマネジメント、顧客との双方向でのコミュニケーションなどを大事にしていることを認識できたこと。
あと広報部に来て日の浅い人も混じっているので「生態系の構築」が上手だと思ったなどありました。
言葉にして改めて認識するということと、このような会話をすることで連帯感や肯定感というものが出てきたのだと思いますね。

滝澤さん:
広報部の業務内容として情報統制やリスク管理も含まれてくるので、瞬発力で対応しつつも秩序を重視するアンバー的なところも大事だと思っています。普通にやっていると相反するような感覚もありましたが、「強みという意味」で見ると、両方のバランスでどっちの良いとこもあると肯定して表現していると思います。畠中さんも言っているように一体感というか自分で納得し、そういう意味で強みを認識できたのだと思います。これについては他のサークルも同じような感覚を持っていると思います。

だいぶカスタマイズされてやっていましたが、全プロセスの中でココが盛り上がりポイントだったというところや、皆が深く言っていたところ、気づきが多かった瞬間などありましたか?

滝澤さん:
やっぱり対話そのものですね。だいぶTJSのやり方を無視してやったところがありました。
レポートが出て、それぞれのサークルの結果を見せ合ったりして盛り上がっていたようです。
ただ、アンケートそのものがちょっと難しかったという意見もありましたね。
ティール組織やインテグラル理論など、読み込めば何を言っているかわかるのですけども、「正直言葉がわからない、自分たちで報酬を決められるわけがない」などあり、アンケートの時は盛り上がるというというよりは戸惑い半分でした。

実際その雑談を仕事の中で話しても良いという感想がかなり出ていたと思いますが、それをすることによって業務が円滑になったことや効率的になったことなどありましたか?

滝澤さん:
先ほど話したことと少し重複しますが、知識量や声の大きさで日ごろ敵わない相手がいて、そういう人ともフラットな会話ができるようになったことですね。声の大きい人も知識量があるだけに教えてあげようという意識が強くガーって話してしまうのだと思いますが、お互いにNVC(非暴力コミュニケーション)のように良い関係性ができていると思います。

冨士松さん:
そういう変化はとても素敵ですね。
やっぱり先輩相手に言いづらいことなどもあるかと思いますが、そこがフラットになると新しいアイディアが出やすくなるので、そういう変化があったことを伺えて私たちも嬉しいです。

今回2時間×3回という対話会を詰めてやるのではなく、フリーにやって良いよという風にやっていただけたと思うのですが「前回の内容を忘れちゃったよ」など、間を空けることでちょっと辛かった意見など大丈夫でしたか?

畠中さん:
それを懸念して、対話会の感覚を詰めてやっているところが多かったです。
また、ブランディングサークルでは、対話会をやる前に前回メモなどを共有して「こんな話していたよね」という振り返りから始めていました。
各サークルでも、そのような対策をして取り組んでいたと思います。

あと、最後にTJSをやっていただいて良かったことを教えていただけると嬉しいです。

滝澤さん:

当初2018年は畠中さんと社長以外は共通言語がない感覚がありました。このTJSをやるところまできて、広報部メンバーと同じ言葉でスムーズに話せる感じになった気がします。

今までだと「オレンジだからこうだよね」「ここのとこをもっと伸ばせるよね」のような会話を上手く言語化できず、下手すると相手の個性を否定しているような言い方になってしまうことなど、往々にしてあったと思います。それが同じ言葉で話せる機会が増えたと感じています。

 

畠中さん:

今回、対話が進んで良かったことについてたくさん話しましたが、視点を変えると、当社のような数千人規模の会社で組織変革や人の本質に迫るような話を深く取り扱うのはかなり難しいのですが、小さな活動ではありましたが、今回TJSとその背景にある様々な知見、フレームというものを実際に社内に持ち込んだという「実績を作った」ことが組織の進化という意味では大きかったと思います。

この結果をいきなり社内で手広く公開するわけではないですけど、興味のありそうなグループに「ちょっとやってみない?」という動きを働きかけることで会社全体の組織の変革、ミームを上げていくようなところに繋げられるので、そういうきっかけを作れた意味は大きいです。

あとはガイアックスのみなさん、嘉村さん、下田さんとこのようなリレーションをできたのは大きいと思っています。

 

滝澤さん:

2018年の時はこんな直接お話できるとか思ってなかったですし、このような話ができる人が周囲におらず、自分しかできないと思っていました。当時は、業務時間内に今回のような対話の時間を作るということがとても困難だと思っていました。だから身近な人を含めてこういう風に対話ができていること自体、すごく良い状況だと思っています。

 

畠中さん:

ツールそのものの良し悪しの話もありますが、それよりも「今までにない意味を持った行動を作れた」という事実、そのために、このツールが役に立ったという捉え方の方が真実に近いと思います。

 

嘉村さん:

今のお話を伺わせていただいて、今はティール組織などの言葉をすでに知っている人にとっては馴染みやすいツールですけど、もう少しこれが広まると、オレンジどっぷりの人たちが少しティール的なものの価値に対して「興味を持ち始める」という入り口になるようなツールを作れれば、もっと皆さんのお役に立てそうだということが分かったことが良かったなと思います。

 

滝澤さん:

ティールや組織論などの本は厚いことも多く最初は抵抗があり、本好きじゃないと読むのは厳しいところもあると思います。だけどこのツールを使うと自然にその価値観がわかるのが嬉しいんだと思います。

あといきなり「コミュニティに出てきてごらんよ」と言われても出ていきづらい人もいるので、様々な手段の1つとして、これがあると良いと思います。

たくさんお話を聞かせていただいてありがとうございました。

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