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働き方の多様化を目指す日産自動車が行うテレワークの推進とは?

さまざまな企業で、労働環境の改善や働き方の改革を目指してテレワークの導入を実施しています。
その中でも、今回は10年前より自宅利用型テレワーク(以下、在宅勤務)を導入している日産自動車に注目し、導入に至った経緯や得られた効果などをご紹介します。

【日産自動車が推進するダイバーシティとは?】
なぜ日産自動車(以下、日産)は10年前より在宅勤務を導入したのか、それは日産が考える従業員の多様性を活かす「ダイバーシティ」にありました。

ダイバーシティ(Diversity)とは日本語で「多様性」を意味します。
人は国籍・文化・ライフスタイル・性別などにより考え方や価値観が多様にありますが、日産はこのような人材の多様性が会社の強みになると考え、最大限の能力が発揮できるように一人一人ライフスタイルに合わせられる働き方の多様化を行っています。

【日産自動車が行う働き方の多様化への取り組み】
日産が人材の多様性に合わせて柔軟に働けるようにダイバーシティ活動を行っていることがわかりました。では実際どのような制度や取り組みを行っているのかまとめてみました。

・ワークライフマネジメントの推進
ワークもライフもどちらの時間も質が向上し、より充実できるように業務の効率化などを行うこと。
コアタイムなしのフレックス勤務・半休制度・在宅勤務など柔軟に働き方を選択できるように様々な制度の導入。
また、労働時間のモニタリング・オフィス一斉消灯・ノー残業DAYの設定・週間PDCA※の推奨など長時間労働の削減や生産性向上に繋げる取り組みなどを実施。
(※PDCAとは、Plan-Do-Check-Actの頭文字をとった言葉で、計画・実施・評価・改善を行うこと。)

・“Happy8”プログラムを導入
2015年から導入された制度で、1日8時間勤務を意識し、以下8つのハッピーを目指すこと。
仕事への意欲、チームへの貢献意識、時間あたりの生産性、業務の透明性、協業の風土、IT・ファシリティ・制度の活用、心身の健康、管理職自身のワークライフマネジメント

・家族のための休暇「ファミリー休暇制度」
結婚・配偶者出産・育児・介護・不妊治療を理由とした家族のための休暇制度。1年度に最大12日間(内5日は有給)取得可能。

ここに上げた以外にも、法定時間を超える育児・介護休暇、短時間勤務、休職制度、休職従業員へのPC貸し出しなどさまざまな制度が設けられています。
このように、従業員のライフスタイルに合わせるため、柔軟な働き方を実現する制度や取り組みを設け、ダイバーシティを推進しています。

【導入から現在まで拡充された在宅勤務とは?】
日産は人材の多様性に合わせ、働き方の多様化を行っていることが分かったところで、ワークバランスマネジメントの一環で導入された在宅勤務が、現在までどのように拡充してきたのかを紹介します。
日産が在宅勤務を導入したのは今から10年前の2006年。当時は、育児・介護両立者を対象に所定内労働時間の50%を上限に導入しましたが、一部の従業員にしか利用されませんでした。
その後、2010年には生産工程以外の全従業員を在宅勤務の対象として、上限月1回の在宅勤務を可能にしましたが、インフラが未整備だったこともあり、ここでも働き方革新までには至りませんでした。
そのため、2013年5月~8月に本格的な在宅勤務のトライアルを実施し、2014年1月より利用の上限を拡充。
月5日(40時間相当)まで在宅勤務を可能とし、30分単位の部分在宅勤務の運用を認め、フレックスタイム制度勤務と併用するなど柔軟な働き方を実現。
その結果、男性社員の育児・家事の参画が促進し、利用が倍増しました。
会社としてはもちろんですが、従業員一人一人がワークライフマネジメントを意識したことで、在宅勤務の利用促進につながったと考えられます。

【日産自動車における在宅勤務のルールとは?】
日産が導入した在宅勤務は、生産工程以外の全従業員を対象にしたことや、利用上限も拡充したことにより、利用者が倍増し、男性社員の育児・家事の参画の促進につながっていることがわかりました。
ここでは、在宅勤務を行う際に定めたルールや労務管理の方法を紹介します。

在宅勤務時の業務ルールは、ガイドラインで定められており、効率的に進められる業務・勧められない業務と分類されています。
資料作成や分析などは効率的に進められる業務として、不具合対応や複数のメンバーで相談するほうが効果的な業務は、在宅勤務では効率的に進められないとしています。
また、従業員の時間当たりの生産性の把握やマネジメントスキル向上のため、週1回はPDCAをし、業務の可視化を行うとしています。
このように、ただ従業員のライフスタイルに合わせて在宅勤務を活用しているのではなく、会社の生産性向上にも繋がるようにルールとして設定されています。

次に労務管理の方法としては、以下のように決められています。
・業務の開始・終了時は上司にメールで報告し、専用ツールを立ち上げて在席状況を同僚に通知する。
(15分以上の休憩や外出をする場合は不在時間を連絡する)
・職場と同じ業務に集中できる環境を自身で整え、ルールを遵守する。
このように、在宅勤務を行っている従業員と会社に勤務している従業員が、安心して業務を実施できるように、ルールや労務管理がしっかりと整備されています。

【従業員の定着が最大の効果!在宅勤務の導入で復職率も90%超え!】
在宅勤務を実施するにあたり、ガイドラインの制定や、労務管理の方法を決めておくことも利用促進につながっていることが分かったところで、最後に在宅勤務を導入したことで日産がどのような効果が得られたのかを分析します。

2015年度の在宅勤務制度を利用した従業員は、約22,000人のうち管理職を含めて約4,000人でした。
また、近年労働環境の悪化により、離職率の高い業界があるなかで日産自動車の2015年の自己都合による離職率は1.1%と低く、新卒の3年後の離職率も5%とかなり低い数値となっています。
さらに、育児休職後の復職率は男性100%で女性も98%とこちらは高い結果が出ています。
このように在宅勤務制度など働き方の多様化を推進していることで、離職率はほかの業界に比べ低い結果となり、休職後の復職率は高い結果に繋がっています。

まとめ
日産は、人材の多様性に合わせ、ダイバーシティを推進し、働き方の多様化を目指しています。
その取り組みとして、ワークライフマネジメントを推進し、在宅勤務制度などさまざまな柔軟な働き方を取り入れたことで、従業員の離職率は低く、休職後の復職率は高い結果となりました。
従業員が定着している日産の成功事例から、企業が学べることはたくさんあります。
成功事例を取り入れていく企業が増えていけば、労働環境の悪化や労働者人口が減少している問題解決や働き方改革が、一層進むのではないかと考えます。

参考URL
日産自動車株式会社 会社概要 従業員の多様性を活かす
(http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/DIVERSITY/)
日産自動車株式会社 会社概要 多様な働き方ができるように
(http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/DIVERSITY/WORK/)
厚生労働省 平成26年度テレワークモデル実証事業 テレワーク活用の好事例集 仕事と育児・介護の両立のために P.24
(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/tele-koujireisyuuH26.pdf)
日産自動車 従業員データ
(http://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/SR/2016/SR16_J_EmployeeData.pdf)
日産自動車 リリース(https://newsroom.nissan-global.com/releases/161128-02-j?lang=ja-JP)

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