ワーケーションという新しい働き…
テレワークにおいて、管理者の目線からテレワーカーの作業時間や作業内容が見えづらくなってしまうのは、ひとつの課題。そういった部分を可視化するために検討したいのが勤怠管理ツールの導入です。
実際に、テレワークにおける勤怠管理に活用されているという、プロジェクト管理・工数管理ツール「InnoPM(イノピーエム)」について、このクラウドサービスの責任者である株式会社電縁 酒井靖昭さんにお話をうかがいます。
在宅テレワークでも勤務時間と作業内容を見える化
――まずは、「InnoPM(イノピーエム)」がどのようなツールなのか、簡単に教えていただけますか?
「InnoPM」は、プロジェクト管理や工数管理を行うクラウドサービスです。
このツールでは、プロジェクトごとにチームや個人がどれだけ時間を使っているかを可視化することができます。例えば、組織の中で複数のプロジェクトが進行していて、メンバーがそれを掛け持ちしている場合などは稼働時間が見えにくくなりがちですが、そういった場合もプロジェクトごとに誰が何時間を使っているかを把握することができます。
さらに、稼働した時間だけではなく、それぞれのプロジェクトごとの損益も出すことができます。
ひとつのツール内で、プロジェクトの採算も可視化することができるという点も大きな特徴ですね。
――このツールが、テレワークの勤怠管理に活用できるとうかがいました。テレワークにおける具体的な使い方を教えてください。
「InnoPM」を使うと、自宅でテレワークをしていても、その方が何時から何時まで働いて、どのような作業を行ったかを具体的に把握できるようになります。
作業者の方は、ツールのカレンダー画面から、何時から何時までどのような業務を行ったかを入力します。すると、これがそのまま管理者の方への報告になります。
このツールでは、プロジェクト単位の切り口以外でも、例えばエンジニアならプログラミング、障害対応などといった形でさまざまな軸を設定でき、その細かな軸でも集計ができるという特徴があります。
そのため、単純に何時から何時まで稼働したかというだけでなく、その内訳としてどのような作業に時間が使われているかを、管理者の側から把握しやすくなります。
また、ツール内にプロジェクトのスケジュールや進捗が管理できるガントチャートがあります。
このガントチャートは先ほどのカレンダー画面と連動しているので、ガントチャートにタスクを作っておけば、自分が今どのタスクをやるべきなのかカレンダー画面で簡単に確認することができます。
このように、「InnoPM」では勤務時間や作業内容を可視化できるため、テレワークにおいて管理コストがかかってしまうという課題に対応することが可能です。こうした点から、実際にさまざまな企業の中で、テレワークにあわせて活用していただいています。
コストと利益を見える化することで、生産性の高い働き方に
――プロジェクトごとの採算が可視化できるという特徴についても、くわしく教えていただけますか?
例えば、部署内で複数のプロジェクトが進行している場合、ひとつのプロジェクトにはたくさんのメンバーが関わっていて、誰が何時間ずつ使っているかわからないということがあります。そうすると、その部署のトータルで見て利益が出ているとしても、それぞれのプロジェクトが赤字なのか黒字なのかわからないという状況が起こりますよね。
それぞれのメンバーは役職や能力によって単価も違いますから、具体的に誰がどのプロジェクトに対して何時間使っているのか、ということを細かく見ていかないといけない。このツールを使うと、それが集計できるようになります。
――そういった機能を用いて、テレワークにおいても活用できるポイントはありますか?
プロジェクトごとのコストや利益が見えるようになるので、テレワークでも生産性を意識した働き方ができると思います。
このツールでは、プロジェクトの売り上げや外注費などの数値を入力することができるようになっていて、メンバーごとの単価と稼働時間を含めて、そのプロジェクトにいくらかかっているのかを算出します。
それがリアルタイムで反映されるため、作業をした人が時間を入力すると、自分の単価×作業した時間分のコストが増え、プロジェクトの利益が減ります。ツール内で常に数字が見られるので、短い時間で効率良く働こうという意識になりますね。
――テレワークでは姿が見えない分、働く側は勤務時間が長いと得をするように考えてしまいそうですが、コストや利益を考えると意識が変わりますね。
そう思います。ちなみに、ツールを使う前提として、例えば私たちの会社ではプロジェクトの売り上げなどの数字が部署内でほとんど公開されている、というのがあります。さらに、部署の利益がボーナスの査定で最も大きい要素を占めていて、長時間働くよりもコストを抑えて利益を出したほうが、最終的に自分たちの給与に反映されるようにもなっています。
ツールを使っていただくにあたって、こうした制度面の試みと合わせると、より生産性を意識した働き方につながるかと思います。
使うことで生産性を高めるための“気づき”が生まれる
――実際に「InnoPM」をテレワークに活用されている企業の方からは、どのような声がありましたか?
「InnoPM」を使っていただいているお客さまの中で、従業員の出産ラッシュをきっかけに、子育てをしながらでも働けるようにと、在宅テレワークを取り入れた企業の事例があります。
テレワークを開始した当初は、エクセルを使うなどして勤怠管理やプロジェクト工数管理を試行錯誤していたそうなのですが、「InnoPM」であればその両方をリアルタイムかつスピーディーに把握できるということで、導入を決めてくださいました。
ツールで各メンバーの業務が可視化されることによって、全社的に生産性がアップして、結果的に残業を減らすこともできたという声をいただいています。
――最後に、他にも「InnoPM」の有効な使い方があれば、ぜひ教えてください。
自宅でのテレワーク以外にも、国内の異なる拠点との連携に「InnoPM」を活用いただいているケースなどもあります。なかには、社員の方が1ヶ月ほど沖縄に滞在して仕事をされていたというケースも聞きました。スマートフォンにも対応しているので、働く場所が自宅やオフィス以外でも無理なく使っていただくことが可能です。言語の切り替えやタイムゾーンの設定も可能なので、海外の拠点との間でも活用いただいています。
また、普段の仕事で何にどれだけの時間を使っているのかを集計することで、自分の時間の使い方を可視化することもできます。
例えば、移動時間や会議にどれだけ時間を使っているか集計すると、思いのほか無駄に使っている時間があることに気づくかもしれません。
生産性を高めるための気づきが生まれるツールなので、ぜひとも幅広い方に利用していただきたいですね。
取材協力:株式会社 電縁
「ヒト・モノ・企業をeでつなげる」を理念として、Webシステム開発・システムコンサルティングなどを展開。
クラウド型工数管理・プロジェクト管理ツール「InnoPM(イノピーエム)」の提供を行っている。
InnoPM :http://www.innopm.com/
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