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【インタビュー】社労士に聞くテレワーク導入における課題と対策

働き方改革の推進にともなって注目の集まるテレワークですが、実際に社内に取り入れるためには制度の面でさまざまな検討が必要になります。
そこで、企業経営の「ヒト」に関する管理業務についての専門家、社会保険労務士の高松直紀さんに、テレワーク導入における社内制度の面での課題や対策をうかがっていきます。

――今後、テレワークを検討する企業が増えていくと考えられます。実際に導入しようとする場合、まずはどんなことから始めたらよいのでしょうか?

まずは、テレワークを「どういった目的で導入するのか?」ということを考える必要があります。
例えば、育児や介護と仕事を両立させられるようにという目的であれば、子育て中の方や家族の介護をされている従業員の方がテレワークの対象になります。
テレワークの導入目的が明確になっていなければ、テレワークの対象者も明確にできないため、まずは導入目的を明確にするということが、最初にやるべきことですね。

導入目的に基づきテレワークの対象者を決定する際には、始めからテレワークを全社的に取り入れようとするのは難しいので、制度の導入時は対象となる方を限定し、
少しずつ広げていくという進め方が理想的です。
取り組みが順調に進んできたら、社内全体の生産性向上を目的として、全社的に取り入れるという形にしていくことも可能です。

重要ポイント1:情報セキュリティにおいて十分な対策を

――まずはテレワークの目的と対象者を決めるということですね。次の段階としては、何を行うべきでしょうか?

次に行うべきことは、テレワークの対象となる「業務の区分け」です。
個人情報や機密情報を取り扱う業務の場合、社外に持ち出すことによって情報漏えいのリスクが大きくなります。
そういった業務については、情報セキュリティを高めて安全性を確保した上でテレワークを認めるか、そういった設備投資が難しければ対象業務から外す必要があります。

――職種で考えた場合にも、テレワークを導入しやすい職種とそうでない職種がありそうですね。

もともと外出の多い営業職の方などは、取り入れやすい職種ということで、実際にテレワークを導入している割合が高いです。
また、エンジニアやデザイナーなどの技術職やクリエイター職の方も取り入れやすい職種ですね。
一方で、人事などは個人情報を扱う業務が多いので、テレワークで行うためには慎重に検討をすべき職種といえます。

――情報セキュリティについては、やはり専門的な知識がないと難しいものでしょうか?

この「業務の区分け」という段階が実はなかなか難しく、特に情報セキュリティという点で行き詰まってしまうという声も聞きます。
テレワークを取り入れたことによって情報漏えいが起きてしまっては問題ですから、情報セキュリティの対策は非常に重要です。
もし情報セキュリティに関して対応できる方が社内にいなければ、専門家に入っていただくというのが確実だと思います。

重要ポイント2:テレワーカーの労働時間管理を徹底

――情報セキュリティ以外にも、クリアしなければならない課題はありますか?

テレワーカーの労働時間管理も重要なポイントです。
会社に出社しないテレワークでは、いつ仕事を初めていつ仕事を終えているのかが、本人から連絡をもらわない限り基本的にわからないところがあります。
労働時間をきちんと管理していなければ、長時間労働につながってしまうケースもあるため、いかにテレワーカーの労働時間を把握し管理するのか、というのが会社として取り組むべき課題となってきます。

――テレワーカーの労働時間を管理するには、具体的にはどのような方法があるでしょうか?

業務の開始や終業の時間や離席状況などの勤怠を遠隔でリアルタイムに管理できるツールがありますので、そういったツールを導入する余裕があれば、ツールの活用をおすすめします。
導入が難しければ、本人から電話やメール、チャットなどで、勤怠の報告を都度してもらうことが大切ですね。

重要ポイント3:生産性を意識した働き方を評価する

――管理者からテレワーカーの働いている姿が見えないことによって、何か他にも課題になるポイントはありますか?

「テレワーカーに対する評価をどう行うか」という点も検討が必要になります。
社内で働いている様子を目の前で見ることができれば、その人の働きぶりを評価しやすいですが、それが難しくなる分をどう補うかということを考えなければなりません。
また、テレワーカーの側からも、働いている姿が見えないことによって、楽をしていると思われないかなどの不安を感じてしまうという側面もあります。
したが従って、会社はテレワーカーの評価方法をあらかじめ検討しておき、本人に事前に評価されるポイントを明確に伝えておくことが必要になります。
また、本人と業務関係者の間でしっかりとコミュニケーションを取ることにより、社内にいないことに対する不安を解消していくことも重要です

――テレワークにおいては、具体的にどのような評価を行うべきでしょうか?

テレワークの制度は「生産性の向上」のために導入することを考えれば、働いた時間に対してどれだけの成果を出しているかという、生産性の高さを評価することが必要です。
そのため、管理者はテレワーカーの労働時間と成果の両方を把握し、生産性を意識した働き方ができているか、そして生産性がどれだけ向上しているかを評価するようにします。
テレワーカーの方へ評価ポイントをあらかじめ説明しておくことももちろんですが、評価する立場の方も、生産性を重視した評価方法について事前にしっかりと理解しておく必要があります。

3つのポイントを踏まえて、テスト期間からスタート

――ここまでにうかがったポイントを踏まえて、実際にスタートする段階で気をつけるべきことはありますか?

まずは、ここまでにお話した「情報セキュリティ・労働時間の管理・生産性を重視した評価」という3つのポイントを踏まえて制度の仕組みを構築し、制度内容を社内に対して十分に説明し理解してもらうことが大切です。
また、制度の運用ルールを明確にし、無用なトラブルを回避するためにも、制度の内容が固まった段階でテレワーク対象者の方のための就業規則を準備しておく必要があります。
制度構築や評価方法の見直し、就業規則への対応が難しい場合、私たちのような専門家にご相談いただければ対応が可能です。

――スムーズに導入するためにも、十分な事前の準備が必要ということですね。

はい。その上で、テスト期間からスタートすることをおすすめします。
テレワークの対象者を絞って、例えば週1日などの少ない日数からスタートさせます。
しばらく様子を見て問題なく運用できていたら、対象者や日数を増やしていくという方法が理想的です。
テスト期間後も、基本的には一定の期間で区切りを設けてテレワーカーと面談を行い、その結果をフィードバックしながら制度を見直していくことが大切です。

――最後に、テレワーク導入を検討されている方に向けて伝えたいことがあればお願いします。

制度構築において課題が多く難しい印象を持たれるかもしれませんが、生産性の向上のみならず、企業における人材不足などの問題に対しても、テレワークの導入は大きなメリットがあります。
社内制度の策定ができれば、あとは運用しながら少しずつ見直していく段階に入りますので、必要に応じて専門家も交えながらじっくり検討を進めていただければと思います。

取材協力:社労士事務所ストレート
個々の会社に合った就業規則の作成や、従業員トラブルの相談、総務関連システムの相談に対応。
その他、手続き・給与計算のサポート、人事制度の構築アドバイス、マイナンバー対応に関するご相談への対応、セミナー講師など。

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