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国が導入を促進し、徐々に拡がりをみせているテレワークですが、実際に導入するとなると運用面で不安を持つ企業は少なくありません。
総務省が発表している、平成27年度情報通信白書によると、テレワークを導入するにあたり、企業からみたテレワークの課題として、
「適正な労務管理」が行えるかどうかが、「情報セキュリティの確保」に次いで高い値となっています。
テレワークでも、自宅などで業務を行う在宅勤務の場合、物理的に目が届かない状況で従業員の勤怠を管理しなければなりません。
在宅勤務において、適切な労務管理を行うためにはどのような労働時間制度を採用したらよいのか?

今回は、テレワークでも、とくに在宅勤務を導入するにあたっての労働時間の管理方法について解説します。

テレワークに採用できる労働時間制度とは?

テレワーク、とくに在宅勤務は通常の出社勤務と異なり、自宅が就業の場となるため管理者側にとって実際の就業状況を見ることができません。

そのような特徴がある在宅勤務を導入する場合、特別に労働時間制度を適用させなければならないのか?

在宅勤務は「事業場外みなし労働時間制」でなければならない?
テレワークについて、どのような労働時間制度を活用すべきか検討するうえで事前に知っておくべきポイントとなるのは、以下の2点です。
・テレワークであってもすべての労働時間制度が利用できる
・在宅勤務の場合、一定の要件ものとで「事業場外みなし労働」が利用できる

在宅勤務者の勤務時間を、出社している従業員と同じように適切に管理ができれば、通常の労働時間制で問題ありません。

例えば、1日8時間・週40時間という「通常の労働時間制」や「変形労働時間制」、「フレックスタイム制」などです。
在宅勤務者の専門性が高く、仕事の進め方を任せられる場合は、「裁量労働制」も利用できます。
そのほかに、労働時間の算定が難しく、ある一定の要件を満たす場合には「事業場外みなし労働時間制※」を利用することもできます。

※「事業場外みなし労働時間制」とは、労働時間の計算方法について特例を認めている制度で、自宅で業務を行う場合でも、

以下の要件を満たした場合にはこの制度を利用できます。
・業務が私生活の場である自宅で行われていること
・情報通信機器(パソコンなど)が使用者の指示で常時通信可能な状態となっていないこと
・業務が随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと

労働時間制それぞれの特徴とは?
それぞれの労働時間制には、企業にとってデメリットとなりうる特徴があります。
「通常の労働時間制」は、労働者の始業・終業時間などをきちんと把握する必要があります。

「事業場外みなし労働時間制」や「裁量労働制」の場合、業務時間内に労働者に対して具体的な指示ができません。

「フレックスタイム制」については会社側が始業・終業時間を決めることができないという点が確認すべきポイントとなります。

具体的な時間管理方法はどうする?
テレワークで在宅勤務を行う従業員の労働時間の管理方法として多くの企業が行っているのが、始業・終業時にメールや電話などで上司などへ報告させることです。
近年では、ICT技術の躍進により、グループウェアやバーチャルオフィスなど各種ツールを利用した勤怠管理方法を活用している企業も多数あります。

テレワーク(在宅勤務)導入企業の労務管理における具体的事例

・サントリーホールディングス株式会社
在宅勤務制度を導入しており、10分単位での在宅勤務取得が可能。勤務時間は事業所の所定労働時間に合わせるか、
もしくはフレックスタイム制も利用可能。具体的な労務管理のルールとして、始業・終業のメールを上司に送付し、上司はそのメールをもとに勤務時間が適正かどうかを確認している。

・ジョブサポートパワー株式会社
通常の労働時間制のなかで在宅勤務を実施。始業・終業時にテレビ電話ツールのチャット機能で連絡。履歴を勤怠管理に活用している。

まとめ
在宅勤務における労務管理の方法については、従業員の勤務時間を適正に管理できれば、既存の労働時間制度をそのまま適用できます。
それぞれの労働時間制の特徴を理解して、その企業や職種、従業員の状況に合った適切な選択を行い、必要に応じて適時改善を行うことが重要です。

具体的な時間管理については、始業・終業時のメールでの連絡や、各種コミュニケーションツールを活用している企業が多くあります。
総務省のテレワーク導入支援の事例では、適切な時間管理ができれば、既存の勤務制度の枠組みでも在宅勤務が十分に可能であると多くの企業が報告しています。

参考URL
厚生労働省「在宅勤務ガイドライン パンフレット」:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html

国土交通省「THE Telework GUIDEBOOK 企業の為のテレワーク導入・運用ガイドブック」:http://www.mlit.go.jp/crd/daisei/telework/p4.html

多田国際社会保険労務士事務所HP:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html

テレワーク相談センターHP:
http://www.tw-sodan.jp/qa/qa02.html#qa02

総務省HP テレワーク導入環境の整備:
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_03.html

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