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勤怠管理の知っておくべき労働基準法のポイント

近年、従業員からの未払い残業代請求が急増しており社会問題となっています。企業側としては、勤怠管理をきちんと行っているにも関わらず、そのような事象が発生するのはなぜでしょうか? 労働基準法を理解し、現代に合った勤怠管理をすることが企業側のリスクを減らす上で不可欠です。 ・勤怠管理の意味は分かっているが、実務の状況と入力している情報がかけ離れている ・労働基準法の内容もある程度分かっているが、実情と合って無く、もう少し詳しく理解したい ・人事担当として、今の勤怠管理の方法で本当に良いのか迷っている など、人事担当者として、このような疑問を持った事はないでしょうか? 本記事では、勤怠管理の基本から知っておくべき労働基準法のポイントと、実際の勤怠管理と現代の働き方に乖離について解説します。ぜひ、この機会に疑問点を解決してみてください。 1.勤怠管理とは そもそも、なぜ勤怠管理をしないといけないのでしょうか? 当たり前のようで意外とその本質を知らない方が多いのではないでしょうか? 以下のどれかに当てはまっていれば改善が必要かもしれません。 残業や休日出勤をしているが、勤怠管理には入力していない。 月末になると出社9:00、退社18:00と入力するだけの作業になっている 残業時間の入力に抵抗があり、サービス残業をしている。 会社では間に合わなく、家でも作業をしているが、勤怠管理には入力していない。 振替休日や代休がなかなか取れなく、有休を毎年捨てている。 始業時間前に出勤して仕事をしているが、始業時間で入力している。 みなし残業だからと言われて、みなし残業の範囲を超えても入力していない。 法令順守・過重労働の防止・賃金の計算という正当性を担保するために勤怠管理をしているはずなのに、実態と乖離した勤怠を行っているのは、なぜでしょうか? 従業員の勤怠管理をすることに意義や重要性を感じられず、ただ面倒な作業となってしまえば、勤怠管理本来の機能を失ってしまいます。長時間労働やサービス残業が続く背景には、勤怠管理が形ばかりのものになっていることが問題です…。 では、なぜこのような事象が起こっているのでしょうか? まず、労働基準法の以下のポイントを押さえておきましょう。 第三十二条:休息時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない 一週間の各日については、休息時間を除き、一日について八時間を超えて、労働させてはならない。 第三十七条:労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働についは、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。 六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。という規定があります。 ピンと来た方もいると思いますが、この法律自体が現代の成果主義や労働生産性の効率化から大きくかけ離れている点です。つまり、成果も出さず、仕事の効率が悪く残業した人の方が賃金が高くなるという仕組みです。 戦後、日本の高度成長期時代を経て、経済大国2位まで押し上げてきた時代にはフィットしていたかもしれませんが、現代には非常にかけ離れた法律になっているという大きな問題点を含んでいます。 企業側も社員も勤怠管理を含めた、働き方について目先の対応ではなく、企業の利益、生産性を含め大きく舵を切らないと、生き残れないでしょう。 今後は、人口減少と共に働き方も多様化し、在宅勤務や自宅近くのサテライトオフィスでの勤務など柔軟な働き方が求められていきます。従業員自身が自分の裁量で働く時間を決めるられることで、管理が複雑化していくことも考えられるでしょう。 しかし、現在の法律で決まっていることは企業としては遵守しなければならないという側面があることは理解しておく必要があります。 2.勤怠管理を怠った場合のリスク 前章で、労働基準法が現代にフィットしていないことを解説しました。だからと言って、勤怠管理をおろそかにして良いという理由にはなりません。そこで、勤怠管理を怠った場合のリスクについてもしっかり確認しておきましょう。 勤怠管理を怠った場合、給与計算などを行う担当者に大きな負担が掛かる等もありますが、このような社内業務に関する部分は割愛し、マネージャーや管理職の方に関わる点にフォーカスします。 ブラック企業のレッテルを貼られ、企業の信頼が失墜する 従業員全員の労働時間が把握できているのに適切な仕事量を振り分けられないと、一部の従業員の残業時間だけがどんどん多くなってしまい、最悪ブラック企業と呼ばれる可能性もあります。適切な仕事量になっているか、残業時間に見合う残業代を出しているかなどを把握するためにも、勤怠管理は必要です。 ニュースでも聞いた事があると思いますが、従業員からの未払い残業代請求が急増しています。サポートする弁護士事務所も多く、残業代請求の内容証明が企業に送られてくるケースも増えています。もちろん、企業側は無視することができなく対応が求められます。 東京労働局による「監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成28年度)」(※1)では、「時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていない」として是正勧告・指導され、100万円以上の遡及支払になったのは1349企業。 そのうち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、184企業で、総額127億2,327万円とされています。対象の同労者数は、9万7,978人で、1社平均の支払金額は943万円、労働者1人当たり、13万円という結果でした。 ※1:http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/chingin-c_h28.html このようなことにならないためにも、賃金不払いや残業解消のため、実際に是正勧告・指導を受けた企業がその後実施した取り組みをいくつかご紹介いたします。 <ブラック企業と言われないために必要な取組み例> 代表者が「賃金不払残業撲滅宣言」を行うとともに、全店で説明会を開催。 「申告書」とパソコンのログ記録に30分以上の乖離が認められた場合には、理由を明記させ、所属長の承認を得ることとした。 総務部職員が定期的に、労働時間が適正に把握されているかについて実態調査を行い、必要な指導を行うこととした。 人事総務部職員が定期的に警備記録とタイムカードの打刻時刻を確認するとともに、各店舗の労務管理状況の抜き打ちチェックを行うこととした。 相談窓口を設置し会社の労務管理に関する疑問などを相談できる体制を整備した。 このような事象は、どの企業にも起こりうる可能性がありますので、社内コミュニケーションはもちろんのこと、そのリスクを回避できる取り組みは早め早めに対応することをお勧め致します。 是正勧告、指導を受けた時点で企業の信頼は失墜します。マスコミに取り上げられてしまうことも少なくありません。是正勧告後や指導を受ける前に上記を参考にしっかり事前対応しておきましょう。 3.労働基準監督署が発行しているガイドラインを遵守すべし!絶対に知っておくべき法律の視点 労働問題に発展しないためには、労働基準監督署が発行しているガイドラインを遵守することが第一歩です。 「労働時間の適正な把握のために」という事で、企業側が講ずべき処置に関する基準を厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署が発行したガイドラインがあります。 ■厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署のガイドライン http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/070614-2.pdf このガイドラインは6,000文字を超えるため、ここではポイントを絞って解説します。 〈ガイドラインのポイント〉 使用者は、労働時間を適正に管理するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。 使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。 使用者が自ら現認することにより確認し、記録すること。 ②タイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録すること。…

働き方の多様化を目指す日産自動車が行うテレワークの推進とは?

さまざまな企業で、労働環境の改善や働き方の改革を目指してテレワークの導入を実施しています。 その中でも、今回は10年前より自宅利用型テレワーク(以下、在宅勤務)を導入している日産自動車に注目し、導入に至った経緯や得られた効果などをご紹介します。 【日産自動車が推進するダイバーシティとは?】 なぜ日産自動車(以下、日産)は10年前より在宅勤務を導入したのか、それは日産が考える従業員の多様性を活かす「ダイバーシティ」にありました。 ダイバーシティ(Diversity)とは日本語で「多様性」を意味します。 人は国籍・文化・ライフスタイル・性別などにより考え方や価値観が多様にありますが、日産はこのような人材の多様性が会社の強みになると考え、最大限の能力が発揮できるように一人一人ライフスタイルに合わせられる働き方の多様化を行っています。 【日産自動車が行う働き方の多様化への取り組み】 日産が人材の多様性に合わせて柔軟に働けるようにダイバーシティ活動を行っていることがわかりました。では実際どのような制度や取り組みを行っているのかまとめてみました。 ・ワークライフマネジメントの推進 ワークもライフもどちらの時間も質が向上し、より充実できるように業務の効率化などを行うこと。 コアタイムなしのフレックス勤務・半休制度・在宅勤務など柔軟に働き方を選択できるように様々な制度の導入。 また、労働時間のモニタリング・オフィス一斉消灯・ノー残業DAYの設定・週間PDCA※の推奨など長時間労働の削減や生産性向上に繋げる取り組みなどを実施。 (※PDCAとは、Plan-Do-Check-Actの頭文字をとった言葉で、計画・実施・評価・改善を行うこと。) ・“Happy8”プログラムを導入 2015年から導入された制度で、1日8時間勤務を意識し、以下8つのハッピーを目指すこと。 仕事への意欲、チームへの貢献意識、時間あたりの生産性、業務の透明性、協業の風土、IT・ファシリティ・制度の活用、心身の健康、管理職自身のワークライフマネジメント ・家族のための休暇「ファミリー休暇制度」 結婚・配偶者出産・育児・介護・不妊治療を理由とした家族のための休暇制度。1年度に最大12日間(内5日は有給)取得可能。 ここに上げた以外にも、法定時間を超える育児・介護休暇、短時間勤務、休職制度、休職従業員へのPC貸し出しなどさまざまな制度が設けられています。 このように、従業員のライフスタイルに合わせるため、柔軟な働き方を実現する制度や取り組みを設け、ダイバーシティを推進しています。 【導入から現在まで拡充された在宅勤務とは?】 日産は人材の多様性に合わせ、働き方の多様化を行っていることが分かったところで、ワークバランスマネジメントの一環で導入された在宅勤務が、現在までどのように拡充してきたのかを紹介します。 日産が在宅勤務を導入したのは今から10年前の2006年。当時は、育児・介護両立者を対象に所定内労働時間の50%を上限に導入しましたが、一部の従業員にしか利用されませんでした。 その後、2010年には生産工程以外の全従業員を在宅勤務の対象として、上限月1回の在宅勤務を可能にしましたが、インフラが未整備だったこともあり、ここでも働き方革新までには至りませんでした。 そのため、2013年5月~8月に本格的な在宅勤務のトライアルを実施し、2014年1月より利用の上限を拡充。 月5日(40時間相当)まで在宅勤務を可能とし、30分単位の部分在宅勤務の運用を認め、フレックスタイム制度勤務と併用するなど柔軟な働き方を実現。 その結果、男性社員の育児・家事の参画が促進し、利用が倍増しました。 会社としてはもちろんですが、従業員一人一人がワークライフマネジメントを意識したことで、在宅勤務の利用促進につながったと考えられます。 【日産自動車における在宅勤務のルールとは?】 日産が導入した在宅勤務は、生産工程以外の全従業員を対象にしたことや、利用上限も拡充したことにより、利用者が倍増し、男性社員の育児・家事の参画の促進につながっていることがわかりました。 ここでは、在宅勤務を行う際に定めたルールや労務管理の方法を紹介します。 在宅勤務時の業務ルールは、ガイドラインで定められており、効率的に進められる業務・勧められない業務と分類されています。 資料作成や分析などは効率的に進められる業務として、不具合対応や複数のメンバーで相談するほうが効果的な業務は、在宅勤務では効率的に進められないとしています。 また、従業員の時間当たりの生産性の把握やマネジメントスキル向上のため、週1回はPDCAをし、業務の可視化を行うとしています。 このように、ただ従業員のライフスタイルに合わせて在宅勤務を活用しているのではなく、会社の生産性向上にも繋がるようにルールとして設定されています。 次に労務管理の方法としては、以下のように決められています。 ・業務の開始・終了時は上司にメールで報告し、専用ツールを立ち上げて在席状況を同僚に通知する。 (15分以上の休憩や外出をする場合は不在時間を連絡する) ・職場と同じ業務に集中できる環境を自身で整え、ルールを遵守する。 このように、在宅勤務を行っている従業員と会社に勤務している従業員が、安心して業務を実施できるように、ルールや労務管理がしっかりと整備されています。 【従業員の定着が最大の効果!在宅勤務の導入で復職率も90%超え!】 在宅勤務を実施するにあたり、ガイドラインの制定や、労務管理の方法を決めておくことも利用促進につながっていることが分かったところで、最後に在宅勤務を導入したことで日産がどのような効果が得られたのかを分析します。 2015年度の在宅勤務制度を利用した従業員は、約22,000人のうち管理職を含めて約4,000人でした。 また、近年労働環境の悪化により、離職率の高い業界があるなかで日産自動車の2015年の自己都合による離職率は1.1%と低く、新卒の3年後の離職率も5%とかなり低い数値となっています。 さらに、育児休職後の復職率は男性100%で女性も98%とこちらは高い結果が出ています。 このように在宅勤務制度など働き方の多様化を推進していることで、離職率はほかの業界に比べ低い結果となり、休職後の復職率は高い結果に繋がっています。 まとめ 日産は、人材の多様性に合わせ、ダイバーシティを推進し、働き方の多様化を目指しています。 その取り組みとして、ワークライフマネジメントを推進し、在宅勤務制度などさまざまな柔軟な働き方を取り入れたことで、従業員の離職率は低く、休職後の復職率は高い結果となりました。 従業員が定着している日産の成功事例から、企業が学べることはたくさんあります。 成功事例を取り入れていく企業が増えていけば、労働環境の悪化や労働者人口が減少している問題解決や働き方改革が、一層進むのではないかと考えます。 参考URL 日産自動車株式会社 会社概要 従業員の多様性を活かす (http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/DIVERSITY/) 日産自動車株式会社 会社概要 多様な働き方ができるように (http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/DIVERSITY/WORK/)…

【実例から学ぶ!テレワーク導入好事例3選】

先日、菓子メーカー大手のカルビー株式会社が、2017年4月から、もともと2日までだったテレワーク日数の上限を撤廃し、毎日でも在宅勤務を可能とするというニュースが話題となりました。 テレワークという働き方は就業者、企業、社会にとってそれぞれメリットがあり、国も具体的な数値目標を立て、予算を投じて企業や団体への導入を促しています。 既にテレワークを導入している企業は7.9%にとどまるなど、(情報通信白書)なかなか導入が進んでいません。 今回は、そんななかで先駆者ともいうべきテレワーク導入企業の具体的な事例をいくつか紹介します。 【強力なリーダーシップの下、ダイバーシティ改革を進める カルビー株式会社】 ・テレワーク導入状況 2010年の「ダイバーシティ委員会」の発足後、従業員のライフワークバランス向上のために、数々の支援制度を取り入れています。 そのなかで「柔軟な働き方への支援制度」の1つとして2014年より在宅勤務制度をスタート。 ・労務管理のルール 在宅勤務実行の前日までに上司にその旨と業務内容の連絡を、口頭やメールにて行います。終業後は、メールにてアウトプットの報告を行います。 成果主義に基づき、年間目標を達成することが評価方法となっています。 ・テレワーク導入による効果 在宅勤務トライアル時期のアンケートにて、「子どもの送迎がしやすくなった」「通勤時間削減により、ゆとりができた」など前向きなコメントが寄せられました。 ・特徴 特にカルビーにおいては、「多様性なくして成長はない」という経営トップによる強いメッセージが特徴で、ダイバーシティが積極的に推し進められています。 その軸にしっかりと成果主義を据えることで、企業としての成長も確実に果たされています。 働き方改革の一環として導入されたフリーアドレスより、急速にペーパレス化が進むなど、環境面や従業員の心理面の柔軟性もテレワーク導入推進の原動力といえます。 【テレワーク文化発信のけん引役 日本マイクロソフト株式会社】 ・テレワーク導入状況 日本マイクロソフト株式会社は、重要な経営テーマのひとつに「多様な働き方の推進」を掲げ、いつでも・どこでも全社員が活躍できる「フレキシブルワーク」として実践しています。 2007年に在宅勤務制度を導入。2011年の東日本大震災時にBPCが発令されたことを発端として、テレワークが急速に普及しました。 2016年5月には、従来の在宅勤務制度を廃止し、新たに「テレワーク勤務制度」を設定し、企業としての生産性と社員のワークライフバランスの向上をより一層目指しています。 勤務が可能な場所は、従来の自宅に限らず「日本国内で業務遂行に適切な場所」とし、最大5日まで取得できるとしています。 利用単位も、それまでは1日単位でしたが、「1日の業務時間のうち必要なだけでも可」とするなど、フレキシブルな内容となっています。 ・労務管理のルール 在宅勤務開始にあたっては、申請ツールでのエントリーや上司との面談を行います。 日常の労務管理として、始業終業時の声掛け、スケジュール表の公開、状態確認シグナルのリアルタイム公開、Web会議システムなどの常時起動を行っています。 ・テレワーク導入による効果 社員のワークライフバランスの満足度が40%アップ、女性の離職率が40%ダウンするなどの成果が出ています。また、「現在の仕事と生活にとってテレワークが必要か?」との問いに94%の社員が必要であると回答しています。 ・特徴 企業としての姿勢、在宅勤務にあたっての自由度や、各種ツールを駆使した労務管理など、テレワークの導入企業として特に先駆的な企業と言えます。 クラウドを最大限に活用した情報システムの構築により、もはやテレワークは日常となっています。 定期的にフレキシブルワークの効果測定を行っており、その結果や指標が各方面から注目を集めています。 また自社を「ワークスタイル変革のリーディングカンパニー」として位置づけ、「マイクロソフトテレワーク週間2015」を開催するなど、社外に対するテレワークの普及にも努めています。 【航空業界におけるテレワーク推進パイオニア 日本航空株式会社】 ・テレワーク導入状況 日本航空は、場所にしばられない働き方をすることで生産性の向上を目指すことを目的として、2014年からテレワークをトライアルで実施し、改善を重ねながら翌年には制度化しました。 在宅勤務が行える回数は週に1回で、在宅勤務に半日年休や直行直帰を組み合わせることもできます。 所定の労働時間を勤務すれば、勤務時間の一時中断が認められる分割勤務制度や、個人で日ごとの業務開始時間を選べる勤務時間選択制度を設定するなど、柔軟な時間の使い方ができるようになっています。 予想以上の効果を得られるとして、制度の規制緩和などを検討中とのことです。 ・労務管理のルール 勤務時間選択制度は、前日までに翌日の勤務時間を申請します。 申請はメールで行えます。自宅以外で作業する場合は、紙資料の持ち出しを禁止したりのぞき見フィルターを使用したりするなど、セキュリティ面において具体的なルールを設定しています。 ・テレワーク導入による効果 業務に集中できるようになり、想像以上に生産性向上が実現できていると社員から声が上がっています。 新卒で入社した女性総合職で30歳代に残っているのは30%程度であったのが、80%以上にまで改善するなど、特に女性の就労環境改善に大きな効果を得ています。 ・特徴 日本航空は、航空業界で初となる「テレワーク推進賞会長賞」を受賞するなど、航空業界におけるテレワークの先進的な存在となっています。 テレワーク導入を『「ビッグピクチャを描きつつ、スモールステップで進む」という方針』(http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=8757&page=4)で進めています。トライアルは4回繰り返し、導入後もより使いやすい制度となるよう調整しており、実践する社員の声を聞き入れながら段階を踏んでいくスタイルは、多くの企業にとって参考になると考えます。 まとめ 今回ご紹介した企業はいずれもテレワーク導入によって、ワークライフバランスや生産性の向上などテレワークのメリットを実感し、今後ますます制度を拡充する方向で歩んでいます。また、小売大手の三越伊勢丹ホールディングスが、2017年4月から育児中など時短勤務を希望する従業員を対象としたテレワークの導入を試験的に開始するなど、業種についてもさまざまな企業がテレワークを導入しています。先進的にテレワークに取り組む企業の具体的な事例は、会社の大小や業種に関わらず多くの企業にとって参考になると考えます。 注)2017年4月現在の内容であり、ご紹介した企業様の制度は変更されていることがございます。 参考URL 平成27年度テレワーク人口実態調査-調査結果の概要- http://www.mlit.go.jp/common/001124888.pdf 厚労省 テレワーク活用の好事例集 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/tele-koujireisyuuH26.pdf 平成27年度テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰 http://kagayakutelework.jp/pdf/telework_jirei_2015.pdf 総務省 テレワーク先駆者百選 取り組み事例…

テレワークを実施している社員の労働時間管理ツール5選

働き方改革の一環として、また、2020年に開催される東京オリンピック時の混雑緩和に向け、政府が毎年7月24日を「テレワーク・デイ」と定めるなど、今後ますますの注目が予想されるテレワーク。 在宅勤務といったテレワークにおいては、上記のような通勤時の混雑緩和などのメリットがある一方、導入にあたり乗り越えなければならない課題も多く存在します。 そのひとつが、在宅勤務時などで会社と離れた場所で働く勤務者の業務時間の管理をどのようにして行うべきかという問題です。 在宅勤をはじめとするリモートワークでは、カードリーダーでの出社退社の記録や、作業中の様子を実際に確認することは困難です。 そのため、管理者は「本当に作業しているのだろうか」「いつどのくらいの時間作業しているのだろうか」といった疑問を持ちやすくなります。勤務者側としても「成果がきちんと伝わっているかどうか」が分かりません。 そこで今回は、勤務時間の管理に役立つツールを5つご紹介します。 【今いるかどうか、をリアルタイムに管理 在席管理ツール F-Chair+(エフチェアプラス)】 デスクトップの「着席」と「退席」ボタンをクリックするだけというシンプルさで、リアルタイムの在席状況を把握することができます。 細切れの勤務時間も自動で集計してくれます。 また、一定時間毎に画面キャプチャを自動的に撮影するので、在宅勤務者がどんな仕事をしているかを確認することができます。 勤務者は自宅ながらも、ほどよい緊張感をもって仕事に取り組むことができます。 【オフィス勤務者との差異を解消デジタルオフィスRemotty(リモティ)】 チャット機能やリモートワークのために作られたバーチャルオフィスツールです。 オフィス勤務者と在宅勤務者が一体感をもって作業することができます。 ログイン、ログアウトで勤務時間の管理といった使い方ができます。 ライブカメラが数分間隔で写真を自動的に撮影するので、お互いの勤務状況を把握することができます。 また、デジタルオフィスとして、タスクの管理なども行えます。 【多様な打刻方法が選べる勤怠管理システム ジョブカン】 勤怠管理に特化したシステムで、ICカード打刻や、リモートワークに最適なモバイルGPS打刻といった様々な打刻方法が用意されています。 勤務中なのか休憩中なのかがリアルタイムで分かる機能も装備しています。 休暇や残業申請の管理ができるのは、勤怠管理システムならではといえます。 【タスクをタイマーで計測TimeCrowd(タイムクラウド)】 タイマー機能がついており、タスク登録後、スタートボタンを押すと時間がカウントされます。それにより、「どんな仕事がどのくらいの時間」で作業されているか確認することができるツールです。 また、各メンバーの一週間毎の稼働状況を一覧で見ることができます。 勤怠管理やタスクの進捗管理ツールとしてはもちろん、作業者の得手不得手を客観的に判断するための材料としても利用できます。 【プロジェクト管理・工数管理InnoPM】 勤怠管理ツールとプロジェクト管理ツールの機能を備えており、プロジェクトのガントチャート機能もあります。 特に、システム開発系の企業が、工数管理、プロジェクト管理を行う際に必要な機能はもちろん、業務改善に使えるレポートも豊富にあります。 従業員との面談では、InnoPMを使いながらという場面が多くなるでしょう。 まとめ 今回は、在宅勤務者の稼働状況の把握や、時間管理の助けになるような機能を持つツールをご紹介しました。 様々なツールが登場しているので、自社において必要な機能と必要でない機能を見極めることが大切です。 参考URL 総務省HP「2020年に向けたテレワーク国民運動プロジェクト - テレワーク・デイ参加企業の募集 -」:http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000171.html ボクシルマガジン「リモートワークや在宅勤務の課題・問題点を解決してくれるツール14」選:https://boxil.jp/others/a82#82-3 リモートワークラボ「リモートワークとツール」 :http://www.remotework-labo.jp/2016/12/tools/

【インタビュー】社労士に聞くテレワーク導入における課題と対策

働き方改革の推進にともなって注目の集まるテレワークですが、実際に社内に取り入れるためには制度の面でさまざまな検討が必要になります。 そこで、企業経営の「ヒト」に関する管理業務についての専門家、社会保険労務士の高松直紀さんに、テレワーク導入における社内制度の面での課題や対策をうかがっていきます。 ――今後、テレワークを検討する企業が増えていくと考えられます。実際に導入しようとする場合、まずはどんなことから始めたらよいのでしょうか? まずは、テレワークを「どういった目的で導入するのか?」ということを考える必要があります。 例えば、育児や介護と仕事を両立させられるようにという目的であれば、子育て中の方や家族の介護をされている従業員の方がテレワークの対象になります。 テレワークの導入目的が明確になっていなければ、テレワークの対象者も明確にできないため、まずは導入目的を明確にするということが、最初にやるべきことですね。 導入目的に基づきテレワークの対象者を決定する際には、始めからテレワークを全社的に取り入れようとするのは難しいので、制度の導入時は対象となる方を限定し、 少しずつ広げていくという進め方が理想的です。 取り組みが順調に進んできたら、社内全体の生産性向上を目的として、全社的に取り入れるという形にしていくことも可能です。 重要ポイント1:情報セキュリティにおいて十分な対策を ――まずはテレワークの目的と対象者を決めるということですね。次の段階としては、何を行うべきでしょうか? 次に行うべきことは、テレワークの対象となる「業務の区分け」です。 個人情報や機密情報を取り扱う業務の場合、社外に持ち出すことによって情報漏えいのリスクが大きくなります。 そういった業務については、情報セキュリティを高めて安全性を確保した上でテレワークを認めるか、そういった設備投資が難しければ対象業務から外す必要があります。 ――職種で考えた場合にも、テレワークを導入しやすい職種とそうでない職種がありそうですね。 もともと外出の多い営業職の方などは、取り入れやすい職種ということで、実際にテレワークを導入している割合が高いです。 また、エンジニアやデザイナーなどの技術職やクリエイター職の方も取り入れやすい職種ですね。 一方で、人事などは個人情報を扱う業務が多いので、テレワークで行うためには慎重に検討をすべき職種といえます。 ――情報セキュリティについては、やはり専門的な知識がないと難しいものでしょうか? この「業務の区分け」という段階が実はなかなか難しく、特に情報セキュリティという点で行き詰まってしまうという声も聞きます。 テレワークを取り入れたことによって情報漏えいが起きてしまっては問題ですから、情報セキュリティの対策は非常に重要です。 もし情報セキュリティに関して対応できる方が社内にいなければ、専門家に入っていただくというのが確実だと思います。 重要ポイント2:テレワーカーの労働時間管理を徹底 ――情報セキュリティ以外にも、クリアしなければならない課題はありますか? テレワーカーの労働時間管理も重要なポイントです。 会社に出社しないテレワークでは、いつ仕事を初めていつ仕事を終えているのかが、本人から連絡をもらわない限り基本的にわからないところがあります。 労働時間をきちんと管理していなければ、長時間労働につながってしまうケースもあるため、いかにテレワーカーの労働時間を把握し管理するのか、というのが会社として取り組むべき課題となってきます。 ――テレワーカーの労働時間を管理するには、具体的にはどのような方法があるでしょうか? 業務の開始や終業の時間や離席状況などの勤怠を遠隔でリアルタイムに管理できるツールがありますので、そういったツールを導入する余裕があれば、ツールの活用をおすすめします。 導入が難しければ、本人から電話やメール、チャットなどで、勤怠の報告を都度してもらうことが大切ですね。 重要ポイント3:生産性を意識した働き方を評価する ――管理者からテレワーカーの働いている姿が見えないことによって、何か他にも課題になるポイントはありますか? 「テレワーカーに対する評価をどう行うか」という点も検討が必要になります。 社内で働いている様子を目の前で見ることができれば、その人の働きぶりを評価しやすいですが、それが難しくなる分をどう補うかということを考えなければなりません。 また、テレワーカーの側からも、働いている姿が見えないことによって、楽をしていると思われないかなどの不安を感じてしまうという側面もあります。 したが従って、会社はテレワーカーの評価方法をあらかじめ検討しておき、本人に事前に評価されるポイントを明確に伝えておくことが必要になります。 また、本人と業務関係者の間でしっかりとコミュニケーションを取ることにより、社内にいないことに対する不安を解消していくことも重要です ――テレワークにおいては、具体的にどのような評価を行うべきでしょうか? テレワークの制度は「生産性の向上」のために導入することを考えれば、働いた時間に対してどれだけの成果を出しているかという、生産性の高さを評価することが必要です。 そのため、管理者はテレワーカーの労働時間と成果の両方を把握し、生産性を意識した働き方ができているか、そして生産性がどれだけ向上しているかを評価するようにします。 テレワーカーの方へ評価ポイントをあらかじめ説明しておくことももちろんですが、評価する立場の方も、生産性を重視した評価方法について事前にしっかりと理解しておく必要があります。 3つのポイントを踏まえて、テスト期間からスタート ――ここまでにうかがったポイントを踏まえて、実際にスタートする段階で気をつけるべきことはありますか? まずは、ここまでにお話した「情報セキュリティ・労働時間の管理・生産性を重視した評価」という3つのポイントを踏まえて制度の仕組みを構築し、制度内容を社内に対して十分に説明し理解してもらうことが大切です。 また、制度の運用ルールを明確にし、無用なトラブルを回避するためにも、制度の内容が固まった段階でテレワーク対象者の方のための就業規則を準備しておく必要があります。 制度構築や評価方法の見直し、就業規則への対応が難しい場合、私たちのような専門家にご相談いただければ対応が可能です。 ――スムーズに導入するためにも、十分な事前の準備が必要ということですね。 はい。その上で、テスト期間からスタートすることをおすすめします。 テレワークの対象者を絞って、例えば週1日などの少ない日数からスタートさせます。 しばらく様子を見て問題なく運用できていたら、対象者や日数を増やしていくという方法が理想的です。 テスト期間後も、基本的には一定の期間で区切りを設けてテレワーカーと面談を行い、その結果をフィードバックしながら制度を見直していくことが大切です。 ――最後に、テレワーク導入を検討されている方に向けて伝えたいことがあればお願いします。 制度構築において課題が多く難しい印象を持たれるかもしれませんが、生産性の向上のみならず、企業における人材不足などの問題に対しても、テレワークの導入は大きなメリットがあります。 社内制度の策定ができれば、あとは運用しながら少しずつ見直していく段階に入りますので、必要に応じて専門家も交えながらじっくり検討を進めていただければと思います。 取材協力:社労士事務所ストレート 個々の会社に合った就業規則の作成や、従業員トラブルの相談、総務関連システムの相談に対応。 その他、手続き・給与計算のサポート、人事制度の構築アドバイス、マイナンバー対応に関するご相談への対応、セミナー講師など。

テレワーク(在宅勤務)における労務管理はどうするべき?

国が導入を促進し、徐々に拡がりをみせているテレワークですが、実際に導入するとなると運用面で不安を持つ企業は少なくありません。 総務省が発表している、平成27年度情報通信白書によると、テレワークを導入するにあたり、企業からみたテレワークの課題として、 「適正な労務管理」が行えるかどうかが、「情報セキュリティの確保」に次いで高い値となっています。 テレワークでも、自宅などで業務を行う在宅勤務の場合、物理的に目が届かない状況で従業員の勤怠を管理しなければなりません。 在宅勤務において、適切な労務管理を行うためにはどのような労働時間制度を採用したらよいのか? 今回は、テレワークでも、とくに在宅勤務を導入するにあたっての労働時間の管理方法について解説します。 テレワークに採用できる労働時間制度とは? テレワーク、とくに在宅勤務は通常の出社勤務と異なり、自宅が就業の場となるため管理者側にとって実際の就業状況を見ることができません。 そのような特徴がある在宅勤務を導入する場合、特別に労働時間制度を適用させなければならないのか? 在宅勤務は「事業場外みなし労働時間制」でなければならない? テレワークについて、どのような労働時間制度を活用すべきか検討するうえで事前に知っておくべきポイントとなるのは、以下の2点です。 ・テレワークであってもすべての労働時間制度が利用できる ・在宅勤務の場合、一定の要件ものとで「事業場外みなし労働」が利用できる 在宅勤務者の勤務時間を、出社している従業員と同じように適切に管理ができれば、通常の労働時間制で問題ありません。 例えば、1日8時間・週40時間という「通常の労働時間制」や「変形労働時間制」、「フレックスタイム制」などです。 在宅勤務者の専門性が高く、仕事の進め方を任せられる場合は、「裁量労働制」も利用できます。 そのほかに、労働時間の算定が難しく、ある一定の要件を満たす場合には「事業場外みなし労働時間制※」を利用することもできます。 ※「事業場外みなし労働時間制」とは、労働時間の計算方法について特例を認めている制度で、自宅で業務を行う場合でも、 以下の要件を満たした場合にはこの制度を利用できます。 ・業務が私生活の場である自宅で行われていること ・情報通信機器(パソコンなど)が使用者の指示で常時通信可能な状態となっていないこと ・業務が随時使用者の具体的な指示に基づいて行われていないこと 労働時間制それぞれの特徴とは? それぞれの労働時間制には、企業にとってデメリットとなりうる特徴があります。 「通常の労働時間制」は、労働者の始業・終業時間などをきちんと把握する必要があります。 「事業場外みなし労働時間制」や「裁量労働制」の場合、業務時間内に労働者に対して具体的な指示ができません。 「フレックスタイム制」については会社側が始業・終業時間を決めることができないという点が確認すべきポイントとなります。 具体的な時間管理方法はどうする? テレワークで在宅勤務を行う従業員の労働時間の管理方法として多くの企業が行っているのが、始業・終業時にメールや電話などで上司などへ報告させることです。 近年では、ICT技術の躍進により、グループウェアやバーチャルオフィスなど各種ツールを利用した勤怠管理方法を活用している企業も多数あります。 テレワーク(在宅勤務)導入企業の労務管理における具体的事例 ・サントリーホールディングス株式会社 在宅勤務制度を導入しており、10分単位での在宅勤務取得が可能。勤務時間は事業所の所定労働時間に合わせるか、 もしくはフレックスタイム制も利用可能。具体的な労務管理のルールとして、始業・終業のメールを上司に送付し、上司はそのメールをもとに勤務時間が適正かどうかを確認している。 ・ジョブサポートパワー株式会社 通常の労働時間制のなかで在宅勤務を実施。始業・終業時にテレビ電話ツールのチャット機能で連絡。履歴を勤怠管理に活用している。 まとめ 在宅勤務における労務管理の方法については、従業員の勤務時間を適正に管理できれば、既存の労働時間制度をそのまま適用できます。 それぞれの労働時間制の特徴を理解して、その企業や職種、従業員の状況に合った適切な選択を行い、必要に応じて適時改善を行うことが重要です。 具体的な時間管理については、始業・終業時のメールでの連絡や、各種コミュニケーションツールを活用している企業が多くあります。 総務省のテレワーク導入支援の事例では、適切な時間管理ができれば、既存の勤務制度の枠組みでも在宅勤務が十分に可能であると多くの企業が報告しています。 参考URL 厚生労働省「在宅勤務ガイドライン パンフレット」: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html 国土交通省「THE Telework GUIDEBOOK 企業の為のテレワーク導入・運用ガイドブック」:http://www.mlit.go.jp/crd/daisei/telework/p4.html 多田国際社会保険労務士事務所HP: http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/guideline.html テレワーク相談センターHP: http://www.tw-sodan.jp/qa/qa02.html#qa02 総務省HP テレワーク導入環境の整備: http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_03.html

【インタビュー】工数管理ツール「InnoPM」 テレワークの仕事を見える化する活用法とは?

テレワークにおいて、管理者の目線からテレワーカーの作業時間や作業内容が見えづらくなってしまうのは、ひとつの課題。そういった部分を可視化するために検討したいのが勤怠管理ツールの導入です。 実際に、テレワークにおける勤怠管理に活用されているという、プロジェクト管理・工数管理ツール「InnoPM(イノピーエム)」について、このクラウドサービスの責任者である株式会社電縁 酒井靖昭さんにお話をうかがいます。 在宅テレワークでも勤務時間と作業内容を見える化 ――まずは、「InnoPM(イノピーエム)」がどのようなツールなのか、簡単に教えていただけますか? 「InnoPM」は、プロジェクト管理や工数管理を行うクラウドサービスです。 このツールでは、プロジェクトごとにチームや個人がどれだけ時間を使っているかを可視化することができます。例えば、組織の中で複数のプロジェクトが進行していて、メンバーがそれを掛け持ちしている場合などは稼働時間が見えにくくなりがちですが、そういった場合もプロジェクトごとに誰が何時間を使っているかを把握することができます。 さらに、稼働した時間だけではなく、それぞれのプロジェクトごとの損益も出すことができます。 ひとつのツール内で、プロジェクトの採算も可視化することができるという点も大きな特徴ですね。 ――このツールが、テレワークの勤怠管理に活用できるとうかがいました。テレワークにおける具体的な使い方を教えてください。 「InnoPM」を使うと、自宅でテレワークをしていても、その方が何時から何時まで働いて、どのような作業を行ったかを具体的に把握できるようになります。 作業者の方は、ツールのカレンダー画面から、何時から何時までどのような業務を行ったかを入力します。すると、これがそのまま管理者の方への報告になります。 このツールでは、プロジェクト単位の切り口以外でも、例えばエンジニアならプログラミング、障害対応などといった形でさまざまな軸を設定でき、その細かな軸でも集計ができるという特徴があります。 そのため、単純に何時から何時まで稼働したかというだけでなく、その内訳としてどのような作業に時間が使われているかを、管理者の側から把握しやすくなります。 また、ツール内にプロジェクトのスケジュールや進捗が管理できるガントチャートがあります。 このガントチャートは先ほどのカレンダー画面と連動しているので、ガントチャートにタスクを作っておけば、自分が今どのタスクをやるべきなのかカレンダー画面で簡単に確認することができます。 このように、「InnoPM」では勤務時間や作業内容を可視化できるため、テレワークにおいて管理コストがかかってしまうという課題に対応することが可能です。こうした点から、実際にさまざまな企業の中で、テレワークにあわせて活用していただいています。 コストと利益を見える化することで、生産性の高い働き方に ――プロジェクトごとの採算が可視化できるという特徴についても、くわしく教えていただけますか? 例えば、部署内で複数のプロジェクトが進行している場合、ひとつのプロジェクトにはたくさんのメンバーが関わっていて、誰が何時間ずつ使っているかわからないということがあります。そうすると、その部署のトータルで見て利益が出ているとしても、それぞれのプロジェクトが赤字なのか黒字なのかわからないという状況が起こりますよね。 それぞれのメンバーは役職や能力によって単価も違いますから、具体的に誰がどのプロジェクトに対して何時間使っているのか、ということを細かく見ていかないといけない。このツールを使うと、それが集計できるようになります。   ――そういった機能を用いて、テレワークにおいても活用できるポイントはありますか? プロジェクトごとのコストや利益が見えるようになるので、テレワークでも生産性を意識した働き方ができると思います。 このツールでは、プロジェクトの売り上げや外注費などの数値を入力することができるようになっていて、メンバーごとの単価と稼働時間を含めて、そのプロジェクトにいくらかかっているのかを算出します。 それがリアルタイムで反映されるため、作業をした人が時間を入力すると、自分の単価×作業した時間分のコストが増え、プロジェクトの利益が減ります。ツール内で常に数字が見られるので、短い時間で効率良く働こうという意識になりますね。 ――テレワークでは姿が見えない分、働く側は勤務時間が長いと得をするように考えてしまいそうですが、コストや利益を考えると意識が変わりますね。  そう思います。ちなみに、ツールを使う前提として、例えば私たちの会社ではプロジェクトの売り上げなどの数字が部署内でほとんど公開されている、というのがあります。さらに、部署の利益がボーナスの査定で最も大きい要素を占めていて、長時間働くよりもコストを抑えて利益を出したほうが、最終的に自分たちの給与に反映されるようにもなっています。 ツールを使っていただくにあたって、こうした制度面の試みと合わせると、より生産性を意識した働き方につながるかと思います。 使うことで生産性を高めるための“気づき”が生まれる ――実際に「InnoPM」をテレワークに活用されている企業の方からは、どのような声がありましたか?  「InnoPM」を使っていただいているお客さまの中で、従業員の出産ラッシュをきっかけに、子育てをしながらでも働けるようにと、在宅テレワークを取り入れた企業の事例があります。 テレワークを開始した当初は、エクセルを使うなどして勤怠管理やプロジェクト工数管理を試行錯誤していたそうなのですが、「InnoPM」であればその両方をリアルタイムかつスピーディーに把握できるということで、導入を決めてくださいました。 ツールで各メンバーの業務が可視化されることによって、全社的に生産性がアップして、結果的に残業を減らすこともできたという声をいただいています。 ――最後に、他にも「InnoPM」の有効な使い方があれば、ぜひ教えてください。 自宅でのテレワーク以外にも、国内の異なる拠点との連携に「InnoPM」を活用いただいているケースなどもあります。なかには、社員の方が1ヶ月ほど沖縄に滞在して仕事をされていたというケースも聞きました。スマートフォンにも対応しているので、働く場所が自宅やオフィス以外でも無理なく使っていただくことが可能です。言語の切り替えやタイムゾーンの設定も可能なので、海外の拠点との間でも活用いただいています。 また、普段の仕事で何にどれだけの時間を使っているのかを集計することで、自分の時間の使い方を可視化することもできます。 例えば、移動時間や会議にどれだけ時間を使っているか集計すると、思いのほか無駄に使っている時間があることに気づくかもしれません。 生産性を高めるための気づきが生まれるツールなので、ぜひとも幅広い方に利用していただきたいですね。 取材協力:株式会社 電縁 「ヒト・モノ・企業をeでつなげる」を理念として、Webシステム開発・システムコンサルティングなどを展開。 クラウド型工数管理・プロジェクト管理ツール「InnoPM(イノピーエム)」の提供を行っている。 電縁     :http://www.denen.com/ InnoPM :http://www.innopm.com/

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